2016 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment and evaluation of bovine induced trophoblast cell line and contruction of in vitro implantation model using this cell line.
Project/Area Number |
26292168
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
木村 康二 岡山大学, 大学院環境生命科学研究科, 教授 (50355070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 裕 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10303869)
松山 秀一 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 研究員 (50455317)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 栄養膜細胞 / 幹細胞 / 着床 / ウシ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで作出したウシ人工栄養膜細胞様細胞株はドーム形成や小胞形成は確認できたが、栄養膜細胞特異的遺伝子の発現やIFNT分泌が非常に低く、また内胚葉に起因する遺伝子の発現が見られたため、得られた株は単一の細胞で構成されたものではなく、栄養膜細胞系および内胚葉系の細胞が混在するヘテロなコロニーであると推測された。そこで本年度はより栄養膜細胞の特徴をもつ細胞株を取得するため、再度人工栄養膜細胞株作出を行った。これまでと同様にPiggyBacベクターに人工多能性幹細胞作出に用いる遺伝子群(c-Myc, Klf4, Oct3/4, Sox2遺伝子)をTETプロモーター下に組み込み、遺伝子導入ベクターを作製した。これを50日齢のウシ胎子から採取した肝細胞または羊膜細胞へ導入した。導入後24時間よりDOXを添加して培養を行った。培養液は胎子血清およびEGFを含むDMEMを用いた。トランスフェクション後5日目に細胞をSNLフィーダー細胞上に展開した。その後はDOX存在下でFBSを含むDMEM/F12を用いて培養した。DOX添加後、14日でコロニーを回収した。回収したコロニーの70%は平らな上皮細胞様形態を持つ細胞で構成され、コロニーは境界線が明瞭で細胞は敷石状に配置していた。このようなコロニーは羊膜細胞および胎子肝臓細胞の両細胞から作出することが可能であった。またこれらの細胞の継代はESやiPS細胞の手法とは異なり、コロニーをパスツールピペット等で細切し、これをフィーダー細胞上に播種することによって行った。培養液は毎日/2日に1回交換し、コロニーの継代は約7日間隔で実施した。この手法により少なくとも60代以上は継代が可能で、コロニー/細胞の形態に変化は見られなかった。さらに、フィーダー細胞を使わずにコラーゲンコートディッシュ上でも少なくとも10代以上は継代が可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウシ人工栄養膜細胞株の作出に困難を要していたが、元の細胞を胎子由来肝臓細胞を利用することにより、栄養膜細胞と類似した株が作出できた。今後はこれを利用してその特性を解析し、研究を加速させたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得られたウシ胎子由来羊膜または肝臓細胞より得られたウシ人工栄養膜細胞株の特徴を様々な遺伝子発現だけでなく、先に樹立されたウシ人工多能性幹細胞と比較することによって、明らかにする。
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Causes of Carryover |
研究の一部の遅れにより実施できなかった研究項目があったため、その部分の研究費に当たる。その項目は次年度に実施予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に未実施研究項目を実施し、それに使用する予定である。
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Research Products
(1 results)