2014 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質表面での反応を制御するペプチドの構造機能化
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26293002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大和田 智彦 東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20177025)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | トランスニトロソ化 / TRPチャネル / N-ニトロソアミン / 可視光照射 / プロリン / アミド結合 / シス-トランス動的平衡 / トランス-アミド |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ニトロソアミンのトランスニトロソ化と膜タンパク質との作用の研究 創製したプロリン誘導体のN-ニトロソアミンがタンパク質のS-NO化を介して機能制御が可能であることを、S-ニトロソ化によって開口するイオンチャネルとしてTRPチャネルに対して開口活性があるかどうか調べる。一部研究を実施し、1の誘導体がTRPチャネルの中でS-ニトロソチオール(SNAP)で開口する7種類のチャネル(TRPC1,C4,C5,TRPV1,V3,V4,TRPA1) の中でTRPA1のみを開口することが分かり報告した。 (2)生細胞応用可能な光切断型NO発生構造の最適化:プロリン誘導体N-ニトロソアミンから可視光照射依存的なNO生成を見い出したので、細胞内滞留性等の細胞生化学への応用性を付加した化合物の構造を最適化した。光によるNOの発生が細胞内で起きるかを検証した(投稿準備中)。今後はさらに細胞機能に与える効果を調査する計画である。 (3)プロリン様アミノ酸のオリゴマー構造のアミド結合のシス-トランス動的平衡の固定を確立する:本研究者はプロリン様二環性構造の橋頭位への置換基導入によりシス-アミド構造への平衡固定を行いオリゴマー化により新しいヘリックス分子創製に成功した橋頭位置換基の位置を変更することによりトランス-アミドへ平衡固定が可能であり、新たな構造規則性を有するヘリックス構造が創製できると考え実施し、ホモオリゴマーにおいてトランスーアミドへの固定が可能であることを明らかにし報告した。シスアミドとトランスアミドの動的固定が実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画したテーマについての論文発表を順調に行っている。また成果の一部を含む学会発表を多数行っている。しかし論文化にはデータの整理と方向性の明確化が必要である。本年度得られた成果は計画の妥当性を示しているが、さらに内容を深化させよりインパクトある論文として発表したい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、現在までに行った内容を深化すべく、タンパク質表面現象への関連づけを行うべく応用的な展開を行う。特異的なヘリックス構築研究をp53-MDM2の相互作用系等のタンパク質表面の相互作用に応用する予測計算を実施できる環境を整備し推進する。
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