2015 Fiscal Year Annual Research Report
有機アニオントランポーターの希少疾患を基礎とした普遍的腎不全治療薬の開発
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26293031
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿部 高明 東北大学, 医工学研究科, 教授 (80292209)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | SLCO4C1 / 有機アニオントランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎不全から腎透析にいたる患者の数は年々増加している。有機アニオントランスポーターSLCO4C1は腎不全時の原因であり腎不全治療のターゲットである。ヒト腎臓には尿毒症物質のなかの有機アニオンを排出するOATPトランスポーターはSLCO4C1しか存在せず、SLCO4C1は尿毒症物質を排除する新たな血液浄化システムの開発や腎臓移行性を目標とした創薬のターゲットとして非常に有用であると考えられた。しかし腎不全時にはほぼ全ての血管側トランスポーターの発現は低下しておりSLCO4C1の発現も低下しており、このSLCO4C1トランスポーターの発現低下が糸球体濾過低下とともにヒト腎不全時における尿毒症物質排泄低下の原因と考えられた。そこでヒトSLCO4C1遺伝子の5’上流に存在する転写制御領域解析する持続発現型レポーターシステムを確立しスタチンやAhRリガンドがSLCO4C1の発現を増強させることを突き止めた。 一方我々は化合物ライブラリーのスクリーニングを合成した。本年度はそのインドール化合物ライブラリーを用いてSLCO4C1発現増強剤のスクリーニングを行い、5種類ヒット化合物を得た。そのヒット化合物は用量存性に複数の腎臓由来細胞でSLCO4C1の発現を増強させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SLCO4C1の発現増強剤を化合物ライブラリーから探索した。それらは新規化合物でり、今後特許申請を行い日本発世界初の新たな治療訳になり得る。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は新たに我々が発見したSLCO4C1増強剤候補ををリード化合物として化合物合成展開を行い、新たなSLCO4C1を活性化する薬物を探索、合成する。
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