2015 Fiscal Year Annual Research Report
中間径フィラメント蛋白質の時空間動態制御機構の解明
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26293038
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
寺田 純雄 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00262022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川岸 将彦 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60323606)
齊藤 健太 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60374659)
佐藤 啓介 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60644044)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞骨格 / 中間径フィラメント |
Outline of Annual Research Achievements |
チュブリン-微小管系やアクチン系と比較して解明の進んでいない、中間径フィラメント蛋白質の重合・脱重合動態とその制御機構を解明することを目標として研究を遂行している。 当初、まず蛍光蛋白質標識ニューロフィラメント蛋白質発現トランスジェニックマウスを作成し、その動態の生体内観測を、薄層斜光照明もしくは蛍光偏光顕微鏡により行うことを目標としていたが、試行錯誤の結果、特にニューロフィラメント蛋白質の場合、観察に適した標識法の確立には新規技術の開発が必要なことが明らかとなった。このためトランスジェニックマウス作成と関連する実験計画はいったん中止し、新規標識技術開発に注力している。また、ニューロフィラメント蛋白質とは別に、既存の方法により標識に奏功した他の神経系中間径フィラメント蛋白質について、主として培養細胞系において細胞生物学的解析を進めている。昨年度セットアップを行った簡易蛍光偏光測定系を利用し、一部の計測は更に共同研究先にて施行中である。ニューロフィラメント蛋白質については、上述の研究計画と共に、原子間力顕微鏡による動態観察を目指す実験を行ってきたが、細胞内におけるニューロフィラメント蛋白質重合体の姿をその場観察するために、アンルーフィングとよばれる技術を適用したサンプルを直接原子間力顕微鏡により観察することで、その微細構造を明らかにすることができた。成果は英文誌において発表した。 また並行して酵母遺伝学や質量分析、培養細胞のタイムラプス観察やケミカルスクリーニングを利用した神経系中間径フィラメント蛋白質の動態関連因子探索は継続して行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の目標としたニューロフィラメント蛋白質の動態観察について、蛍光偏光顕微鏡観察に適した実験条件を確立するためには従来とはことなるコンセプトによる実験手法が必要であることが判明し、この実験については取り扱う中間径フィラメント蛋白質の種類をニューロフィラメント蛋白質から変更して対応している。当初の計画とは異なる中間径フィラメント蛋白質について、生理的な条件で観察可能な実験条件の確立に成功し、その培養細胞レベルでの解析を開始している。他方、原子間力顕微鏡による観察については概ね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
生理的な条件で蛍光偏光顕微鏡観察可能な実験条件の確立に成功した中間径フィラメント蛋白質の動態解析を引き続き続行する。またニューロフィラメント蛋白質を含む、様々な実験対象となる蛋白質について蛍光偏光顕微鏡観察に適した実験条件を確立するために必要な新たな実験手法を複数考案し、その開発を推進している。これは当初の研究計画にはなかったものであるが、すでに萌芽となる成果を得つつある。 また原子間力顕微鏡によるニューロフィラメント蛋白質については、より分解能の高い条件下での観察を目指し、引き続き実験を続ける予定である。 酵母遺伝学や質量分析、培養細胞のタイムラプス観察やケミカルスクリーニングを利用した神経系中間径フィラメント蛋白質の動態関連因子探索については、期間内時間の許す限りにおいて、探索を続行する。
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Causes of Carryover |
ニューロフィラメント蛋白質関連のトランスジェニックマウス作成計画の一時中止とこれに伴い研究計画の内容が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
従来の標識法で蛍光偏光顕微鏡観察が可能となった中間径フィラメント蛋白質の動態解析と、ニューロフィラメント蛋白質を対象とする実験で必要となる新規標識法の開発、原子間力顕微鏡による動態観察の続行を目的として使用を予定している。
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Research Products
(7 results)