2014 Fiscal Year Annual Research Report
淡蒼球アストロサイトの形態機能連関ーパーキンソン病の新しい治療法開発にむけてー
Project/Area Number |
26293039
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
和中 明生 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90210989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 洋明 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (40453162)
森田 晶子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70647049)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 淡蒼球 / パーキンソン病 / マウス / アストロサイト / シナプス / 光遺伝学 / チャネロドプシン / ハロロドプシン |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度はパーキンソン病の運動機能低下に重要な役割を持つ大脳基底核回路の「間接路」の核である淡蒼球でのアストロサイトの形態変化、特に片側パーキンソン病モデル状態になったマウスでの左右のアストロサイトの形態の違いについてまず検討した。 運動負荷を行った場合、淡蒼球のアストロサイトの形態は複雑化する。これはOlig2プロモーター制御下にGAP43-EGFPを発現させるダブルトランスジェニックマウスでEGFPの免疫組織化学を行った際にEGFPの蛍光量の有意差として観察できるが(論文投稿中)、同様の実験を片側パーキンソン病モデルにおいて行うとパーキンソン病状態にある側の淡蒼球のアストロサイトは対側(健側)のアストロサイトに比して有意にその形態を複雑化させることが確認出来た。 さらにこの片側パーキンソン病モデルにおいて左右の淡蒼球でのシナプス数を電子顕微鏡を用いて比較検討したところ、興奮性シナプスを示すSymmetiricシナプス、抑制性シナプスを示すAsymmetricシナプスの総数に有意な差は認められなかった。これらの結果はパーキンソン病状態においては神経伝達の変化が起こるが、少なくとも病早期においてはシナプスの変化などではなく、グリア細胞の変化により対応していることを示している(論文準備中)。 これらのアストロサイトの人為的な機能変化をもたらす実験系として申請時の計画ではアストロサイト毒やアデノシンの代謝を変化させることを記載していたが、先に光遺伝学的手法を用いた実験を先行させることとした。Olig2プロモーター制御下にCreリコンビナーゼを発現させるマウスに対して両側淡蒼球にアデノ随伴ウイルスベクターにFlox化したチャネロドプシン、或いはハロロドプシンを組み込んだものを微量注入して淡蒼球のアストロサイトに限局した人為制御系の構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初期の計画にあった淡蒼球への種々の薬剤投与実験は行わず、光遺伝学的手法を用いたアストロサイトの人為制御系の開発実験を先行させた。これにより研究全体も目標であるパーキンソン病に対するアストロサイト主導の治療開発に向かって順調に進んでいると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は淡蒼球アストロサイトに特異的に発現させたチャネロドプシン、ハロロドプシンの光遺伝学的操作を行って、片側パーキンソン病モデルにおける行動異常(病側への回転運動)を是正できるか否かを中心に行動実験を行っていく。
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Causes of Carryover |
光遺伝学的実験の予備実験、準備に経費の主体を置いたため当初の予定よりも支出が少ない額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は光遺伝学的実験(ウイルスの作成と脳内注入)を行うため、繰り越し額はこのウイルス作成に使用する予定である。
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Research Products
(11 results)