2016 Fiscal Year Annual Research Report
ATP放出性マキシアニオンチャネルの分子同定と心筋虚血・再灌流障害への役割解明
Project/Area Number |
26293045
|
Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
岡田 泰伸 総合研究大学院大学, なし, 学長 (10025661)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 俊昭 生理学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (00373283)
松浦 博 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60238962)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | アニオンチャンネル / 心臓 / ATP放出 / 虚血・再灌流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、第1にマキシアニオンチャネルの分子同定を行い、この分子が細胞膨張時のATP放出路を与えることを証明すること、そして第2にこの分子が心臓からの虚血・再灌流時のATP放出の通路を与える事を証明すること、更に第3にこのATP放出が虚血・再灌流後の心機能障害に対して防御的に働くのか、それとも障害的に働くのかを評価することである。平成28年度における成果は、次の通りである。まず第1の点については、本分子を培養細胞に強制発現させた時に、マキシアニオンチャネル電流のみならず細胞膨張性ATP放出も高まること、そしてプロスタグランジンE2(PGE2)投与によって、マキシアニオンチャネル電流のみならず細胞膨張性ATP放出も抑制されることを明らかにした。次に、第2の点に関しては、心臓の虚血・再灌流性ATP放出がマキシアニオンチャネルのブロッカーで有意に抑制されることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究のこれまでの3年間の成果をまとめなおした論文を再投稿をしたところ、査読者から更なる追加実験を求められ、これに対応するために多くの追加実験の実施が必要となった。そのかなりの部分は平成28年度中に実施したが、すべてを実施し終えることはできなかった。特に、第3点目に関する実験的検討がいまだ行えていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
論文再投稿時に査読者によって求められた追加実験のうちの、マキシアニオンチャネル分子#4819.5の脂質二重層膜再構成実験にたいするネガティブコントロールの追加確認、再構成チャネルの複数のマキシアニオンチャネルブロッカーに対する感受性、同チャネルのPGE2感受性の確認、内在性マキシアニオンチャネル欠落細胞への#4819.5分子変異体の強制発現による変異型チャネル活性の発現とその性質検討などを行う。加えて、心臓の虚血・再灌流性ATP放出がその後の心機能障害に対して防御的に働くのか、それとも障害的に働くのかを明らかにする実験を実施する。これらの実施による本研究の最終的完成のために、本研究期間をあと1年延長する。
|
Causes of Carryover |
本研究課題の主要成果を英文論文としてとりまとめ、外国雑誌に投稿したところ、査読者から多くの追加実験を求められたが、これらを今年度内にすべてやり遂げることができない見通しとなったため。また、本年度内に予定していた論文印刷費の支出が、来年度に持ち越されることになったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記実験の遂行のために必要な消耗品費や、論文の印刷費にあてる。
|
Research Products
(5 results)