2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26293059
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 啓子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60294972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟山 亮 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20452295)
細金 正樹 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (30734347)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ヒストン修飾 / Bリンパ球 / ChIPシークエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
Bリンパ球をモデル細胞として用いた。 B細胞は分化段階特異的にマーカーとなる分子の転写量が変化することが知られているからである。そして、B細胞由来のリンパ腫では、EZH2の変異が報告されていることからも、B細胞の増殖と分化にEZH2が制御するヒストン修飾とそれにともなう転写の変化が関与していることが期待されたからである。 まず、成熟B 細胞でEZH2をshRNAを用いて欠失させ、外因性抗原によって増殖と分化を誘導した。正常細胞とEZH2欠失細胞での転写状態とH3K27me3の修飾の変化を網羅的に探索した。具体的には、次世代シークエンサを用いてRNA sequence およびChIP sequence を行った。分化段階に応じてBリンパ球は細胞の形態を大きく変え、単一細胞あたりのRNA量が大きく変化することが予想されたので、修飾量および発現量のサンプル間比較と解釈について、個別の遺伝子の変化やRNA量の精緻な定量を行い、細胞あたりのRNA量を算出し補正を行った。EZH2欠失細胞では、予想通りHistoneH3K27me3のレベルが低下しており、それにともなって100あまりの遺伝子の転写活性化が認められた。 膵β細胞における外環境の変化にともなうinsulinの分泌などの反応を調べるために、MIN6細胞を用いて、転写とH3K27me3修飾の関係を調べた。MIN6細胞で、培地に glucose を添加することによって、insulin、c-fos、srxn1 などの転写が上昇することを確認した。EZH2の発現の抑制株や活性化型変異を過剰発現した細胞を作製し、glucoseに応答性を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデル細胞として選んだBリンパ球とMIN6細胞のうち、Bリンパ球の実験おおむね順調に進み、いくつかの決定的データを取得することに成功している。一方で、MIN6細胞については、安定的な培養条件を確立することに時間を要し、グルコース添加による転写環境の変化を調べる段階へ到達することが当初の予定より3ヶ月ほど遅くなった。 網羅的解析については、研究開始時から技術的な問題の解決は終了しているので、適切な再現性が十分に確認できる細胞培養条件が決定すれば、その条件で、サンプルの取得を目指すことにしている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までBリンパ球をモデル細胞として用いた理由の一つに、免疫グロブリン遺伝子の発現と遺伝子の核内配置についての研究がよく行われているからである。核内における遺伝子の位置を探索することを開始する。まず、三次元FISHや3C、さらに最近発表された Fluorescent TALE 法によって調べる。この研究では、EZH2の活性型変異を発現するマウスの活用を行う予定である。野生型マウスとEZH2の活性型変異を発現するマウスとの比較を、各分化段階で行う。この結果とすでに調べている転写量や遺伝子周囲のヒストン修飾状況を比較することで、転写やヒストン修飾が、遺伝子の核内の配置にどのような影響を与えるのかを調べる予定である。 同様に、glucose 刺激によって発現が誘導される遺伝子について、核内配置の変化をMIN6細胞を用いて調べる。間期のFISHでは、比較的大きなプローブが必要であり、特異的な遺伝子の局在変化を調べることは難しい。そこで、三次元FISHや3Cによってinsulin 遺伝子やsrxn1遺伝子と相互作用する遺伝子群が、glucose 投与前後にどのように変化するのかを調べる。さらに、EZH2の発現を抑制した細胞で、遺伝子局在を調べ、H3K27me3修飾が遺伝子の局在にどのような役割を果たしているかを解析する。
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Causes of Carryover |
膵β細胞における外環境の変化にともなうinsulinの分泌などの反応を調べるために、MIN6細胞を用いて、転写とH3K27me3修飾の関係を調べる計画であった。しかし、MIN6細胞については、安定的な培養条件を確立することに時間を要し、グルコース添加による転写環境の変化を調べる段階へ到達することが当初の予定より3ヶ月ほど遅くなったため、網羅的解析のために計上していた予算を次年度に使用することとなった
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
網羅的解析については、研究開始時から技術的な問題の解決は終了しているので、適切な再現性が十分に確認できる細胞培養条件が決定すれば、その条件で、サンプルの取得を目指すことにしている。
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[Journal Article] CRL4(VprBP) E3 Ligase Promotes Monoubiquitylation and Chromatin Binding of TET Dioxygenases2015
Author(s)
Nakagawa, T., Lv, L., Nakagawa, M., Yu, Y., Yu, C., D'Alessio, A. C., Nakayama, K., Fan, H. Y., Chen, X. & Xiong, Y.
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Journal Title
Mol Cell
Volume: 57
Pages: 247-260
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Identification of acquired mutations by whole-genome sequencing in GATA-2 deficiency evolving into myelodysplasia and acute leukemia.2014
Author(s)
Fujiwara, T., Fukuhara, N., Funayama, R., Nariai, N., Kamata, M., Nagashima, T., Kojima, K., Onishi, Y., Sasahara, Y., Ishizawa, K., Nagasaki, M., Nakayama, K. & Harigae, H
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Journal Title
Ann Hematol
Volume: 93
Pages: 1515-1522
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] HCV infection enhances Th17 commitment, which could affect the pathogenesis of autoimmune diseases2014
Author(s)
Kondo, Y., Ninomiya, M., Kimura, O., Machida, K., Funayama, R., Nagashima, T., Kobayashi, K., Kakazu, E., Kato, T., Nakayama, K., Lai, M. M. & Shimosegawa, T.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 9
Pages: e98521
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] GNE myopathy associated with congenital thrombocytopenia: a report of two siblings2014
Author(s)
Izumi, R., Niihori, T., Suzuki, N., Sasahara, Y., Rikiishi, T., Nishiyama, A., Nishiyama, S., Endo, K., Kato, M., Warita, H., Konno, H., Takahashi, T., Tateyama, M., Nagashima, T., Funayama, R., Nakayama, K., Kure, S., Matsubara, Y., Aoki, Y. & Aoki, M.
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Journal Title
Neuromuscul Disord
Volume: 24
Pages: 1068-1072
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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