2014 Fiscal Year Annual Research Report
癌病態特異的microRNAの統合的スクリーニングと核酸医薬への応用
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26293067
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小崎 健一 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50270715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十川 紀夫 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (30236153)
十川 千春 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10253022)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 発現制御 / 癌 / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、機能性低分子RNAとしてゲノム情報発現系の内在性制御機序を担うmicroRNA (miRNA)による癌個別化医療の実現を目指して、様々な癌病態において特異的にgain-of-functionあるいはloss-of-functionをきたす癌病態特異的miRNAを同定すべく、これまでの研究成果に基づいて、独自のin vitro/in vivo癌病態モデル系等における統合的スクリーニングを行う。さらに、発癌から悪性形質獲得に至る連続的な癌病態の変化とDNAメチル化異常や発現異常の時空間的変化に着目したオミックス統合解析を推進し、癌病態特異的miRNAと標的遺伝子の分子機序の解明から核酸医薬としての可能性の検討までを一貫して実施する。本研究の成果は、癌miRNA創薬による癌治療体系の確立等に貢献しうると考えられる。 初年度(平成26年度)は、癌病態特異的microRNA (miRNA)の統合的スクリーニングに重要なin vitro/in vivo癌病態モデル系を新たに確立すべく、既に上皮-間葉転換(Epithelial-to-Mesenchymal Transition, EMT)との関連性が報告されている浸潤・転移関連マーカー遺伝子の中でも細胞外マトリックス分解酵素MMP-9 (matrix metalloproteinase-9)とその生理的阻害因子TIMP-2 (tissue inhibitor of metalloproteinase-2)、ならびに最近の報告で大腸癌転移との関連性が示されたメタロチオネイン(MT)遺伝子に着目して、各遺伝子プロモーター配列の単離と転写活性の確認、および各プロモーター領域を組み込んだ蛍光レポーター・コンストラクトの構築を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各マーカー遺伝子のプロモーター領域の単離、及び単離した各プロモーター配列を組み込んだ蛍光レポーター・コンストラクトの作成に関して、当初の予想より多くの時間が必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、構築した各レポーター・コンストラクトを既報のin vitro浸潤/in vivo転移モデル系へ個別に遺伝子導入する等によって、独自のin vitro/in vivo癌病態モデル系の確立を完了させる。さらに、同モデル系を用いた合成二本鎖miRNAライブラリー(ライフテクノロジーズ社)のin vitro網羅的機能性スクリーニングを進め、初年度には実施に至らなかった癌病態特異的miRNA候補遺伝子の選出を行う。選出した各miRNA候補遺伝子については、各候補miRNA配列を搭載した合成二本鎖miRNAを用いたin vitro/in vivo癌病態モデル系における機能的な検証を行うとともに、臨床検体等も含めたDNAメチル化探索、網羅的発現探索、網羅的機能性探索によるオミックス統合解析を実施する。一方で、各癌病態モデル間での細胞特性(形質)、臨床検体における病期(癌病態)や癌組織内での物理的な部位等に関する時空間的相関性をも考慮した検討を加味する事によって、臨床的に意義有る癌病態特異的miRNA群とその標的遺伝子群の同定、ならびに各癌病態における詳細な分子機序の解明を試みる。 本研究課題の最終年度である平成28年度は、平成27年度までのオミックス統合解析等により同定された各癌病態特異的miRNAについて、抗miRNA療法(anti-miRNA therapy)あるいはmiRNA補充療法を想定した核酸医薬としての有効性を検討すべく、in vivo治療実験による詳細な解析を行う。なお、本研究課題では抗miRNA療法やmiRNA補充療法の臨床応用を視野に入れ、ウイルス・ベクターやその安定発現細胞株等は用いず、合成二本鎖miRNA等の人工核酸を用いた解析を実施する。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] The expression and clinical significance of connective tissue growth factor in advanced head and neck squamous cell cancer.2014
Author(s)
Kikuchi R., Kikuchi Y., Tsuda H., Maekawa H., Kozaki K., Imoto I., Tamai S., Shiotani A., Iwaya K., Sakamoto M., Sekiya T. and Matsubara O.
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Journal Title
Hum. Cell
Volume: 27
Pages: 121-128
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Genome-wide screening of DNA methylation markers to predict the presence of lymph node metastasis in esophageal squamous cell carcinoma.2014
Author(s)
Kozaki K., Nagata H., Tanimoto K., Fujiwara N., Imoto S., Ichikawa D., Miyano S., Kawano T., Otsuji E. and Inazawa J.
Organizer
American Association for Cancer Research, 105th Annual Meeting 2014
Place of Presentation
San Diego Convention Center (San Diego, CA, USA)
Year and Date
2014-04-07
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