2014 Fiscal Year Annual Research Report
新技術を用いたダブルノックアウト高血圧・動脈硬化モデルラットの創出
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26293086
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
並河 徹 島根大学, 医学部, 教授 (50180534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家森 幸男 武庫川女子大学, 付置研究所, 教授 (80025600)
真下 知士 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80397554)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 疾患モデル動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
医学生理学研究に頻用されているマウス、ラットは動脈硬化に抵抗性があることが知られている。そこで、生理学的な研究に使いやすいラットで、遺伝子改変技術によって動脈硬化のモデルができれば、動脈硬化とそれをベースにした心筋梗塞や脳梗塞の病態の解明に有用である。本研究では、高血圧の遺伝的モデルラットとして高い評価を得ているspontaneously hypertensive rat (SHR)に新たに開発されたゲノム編集技術を応用することで、高血圧と動脈硬化を同時に発症するモデルを開発し、その病態を解明することを目的としている。 本年度は、ターゲットとした3つの遺伝子、Apoe, Prdx2, Akt1をCRISPR/CAS9を用いて編集し、それぞれの遺伝子で2種類の異なるin-flame変異、flame-shift変異を持つ計6種類のヘテロ・ノックアウトSHRを得ることに成功した。これを戻し交配、兄妹交配することでホモのノックアウト個体作出を試みたが、これらの変異がモザイクの状態で生殖細胞に導入されていることが判明し、ホモ個体を得るのに必要な数のヘテロ個体を取るために1世代余分の交配が必要になった。このため、交配計画が数ヶ月遅れている。 現在、Apoe, Prdx2それぞれのノックアウトSHRのホモ個体が完成し、この2つのノックアウト動物を交配してダブルノックアウトの作成を開始している。Akt1ノックアウトについては、ヘテロどうしの交配でホモ個体を得ている段階である。完成したApoeノックアウト、Prdx2ノックアウトSHRについては、血圧、血清コレステロール、中性脂肪など基本的な表現形質の解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ゲノム編集にて導入した変異がモザイクになっていたため、1回の交配で十分な数のヘテロ動物を得ることができず、1世代余分の交配をせざるを得なくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
数ヶ月の遅れとなっているが、ダブル、トリプルノックアウトの作成と完成したノックアウトラットの解析を効率よく同時並行で進めることによって、この遅れを取り戻す方針である。
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Causes of Carryover |
ゲノム編集にて導入した変異がモザイクになっていたため、1回の交配で十分な数のヘテロ動物を得ることができず、1世代余分の交配をせざるを得なくなった。それに伴い当初の実施計画に遅れが生じ、購入を予定していたCRISPRマイクロインジェクション関連試薬や消耗品等の購入を見合わせることになったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
数ヶ月の遅れとなっているが、ダブル、トリプルノックアウトの作成と完成したノックアウトラットの解析を効率よく同時並行で進めることによって、この遅れを取り戻すべく計画を進めており、昨年、購入を見合わせていた試薬及び消耗品を早々に購入する予定です。また、今年度はテレメトリー実験を予定しており、そのプローブのグレードアップ(1本:216,000円)の費用に充てる予定です。
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Research Products
(16 results)