2015 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of drug resistance gene using Plasmodium artificial chromosome
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26293091
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岩永 史朗 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20314510)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マラリア / クロロキン / メフロキン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までにクロロキン耐性熱帯熱マラリア原虫Dd2株について人工染色体遺伝子ライブラリーを構築し、耐性遺伝子同定を試みた結果、第3番染色体上の遺伝子を新規な耐性遺伝子候補として同定した。そこで本年度はこの候補遺伝子のみを実際に薬剤感受性原虫に導入し、耐性を付与するかどうかを検討した。その結果、この遺伝子の導入により新たにクロロキン耐性が付与されることを確認し、耐性遺伝子として機能することを示した。加えて、Dd2株よりもIC50値で約1.5倍の強いクロロキン耐性を示す株を2株獲得することができ、今後の重要な研究試料を得ることに成功した。一方、メフロキン耐性遺伝子を同定することを目的とし、患者由来メフロキン耐性株の同定・獲得を試みた。その結果、IC50値において感受性株よりも約3倍の耐性を示す原虫株を取得することに成功した。更にこの原虫についても人工染色体ライブラリーを構築し、新たに耐性を獲得した原虫をスクリーニングした結果、独立して4種の原虫株を得ることができ、これらより耐性遺伝子として新規なABC transporterを同定することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当該年度に計画通りに新規クロロキン耐性遺伝子を同定することができた。また新たにメフロキン耐性遺伝子の同定にも着手し、耐性遺伝子が組み込まれたと考えられる原虫株を4株得ることに成功し、これより新規なメフロキン耐性遺伝子を同定することに成功した。以上のことより研究は当初予定以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
①メフロキン耐性遺伝子の局在解析・機能解析:メフロキン耐性原虫株由来のセントロメアプラスミドライブラリーを作製し、IC50値を指標に決定したスクリーニング条件に基づきスクリーニングを行った。その結果、新たにメフロキン耐性を獲得した原虫株を4種獲得することに成功した。H28年度は同定した耐性遺伝子を組み込んだ組換え原虫を作製し、その機能・局在等について評価し、耐性機構の全容解明を試みる。
②クロロキン耐性遺伝子の同定:株化した200株の原虫にについてクロロキン耐性能を評価した結果、従来のクロロキン耐性原虫よりもIC50値で約1.5倍の高度耐性を示す原虫株を得ることに成功した。そこでH28年度はこの原虫についてクロロキン耐性遺伝子の同定及び耐性機構を検討する。
③アルテミシニン耐性遺伝子の同定:当初計画よりも大幅に研究が進展した為、新たにアルテミシニン耐性遺伝子の同定を試みる。アルテミシニンは現在の治療第一選択薬であり、その耐性遺伝子同定は臨床上極めて重要と考える。
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Causes of Carryover |
本年度は予定を越えてメフロキン耐性遺伝子の同定を完了することができた。よって本年度の未使用予算を次年度に繰り越し、計画を発展させる事とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初予定を越えて研究が進展した為、新たな計画を立案する。即ち、マラリア治療において最も深刻な問題であるアルテミシニン耐性遺伝子の同定を行う。これを実施するために当該年度の未使用予算を執行する。
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Research Products
(2 results)