2016 Fiscal Year Annual Research Report
医療経済評価に用いる健康関連QOL値集積のための実証的研究
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26293116
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
能登 真一 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (00339954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下妻 晃二郎 立命館大学, 生命科学部, 教授 (00248254)
齋藤 信也 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (10335599)
森脇 健介 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (10514862)
五十嵐 中 東京大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (20508147)
白岩 健 国立保健医療科学院, その他部局等, 研究員 (20583090)
福田 敬 国立保健医療科学院, その他部局等, その他 (40272421)
石田 博 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50176195)
池田 俊也 国際医療福祉大学, 薬学部, 教授 (90193200)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 健康関連QOL / QOL値 / 費用対効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
国内の複数の臨床施設において,各種疾患の健康状態を医療経済評価で利用可能なQOL値(効用値)で測定した.対象施設は全国の12の医療機関と2つの介護保険施設である.対象疾患はこれまでに脳卒中,心疾患,呼吸器疾患,各種整形疾患,乳がん,前立腺がん,腎透析,強皮症,認知症までに広げた.また,臨床施設によっては,介入の効果を調べる指標として,QOL値を用いて前向きに調査を継続している.使用したQOL値の測定ツールはEQ-5D-5Lであり,国内において試行的に導入された,医療技術の費用対効果評価においても重要な指標となりうるものである.また同時に,各種疾患ごとに重症度を測定するための指標でもデータを収集しており,QOL値とそれぞれの疾患における関係性をマッピングなどの手法を用いて明らかにしているところである.これまでのところ,全疾患をあわせて約1,000例の登録が済み,データも着実につみあがっている.たとえば,腎透析患者を対象とした調査研究では,QOL値の低下要因が透析期間や疾患よりも現在の年齢によって左右されるという結果が示された.また,一方で健常者に対する評価も行っており,こちらは約2,000名のデータを収集した.ここでは,年齢の要因というよりは日頃の運動や飲酒などの生活習慣が影響していることが明らかにされた.このように,QOL値は疾患の重症度との関連が強いものの,加齢による低減も明らかであり,今後は疾患と加齢によるQOL値の低減をどのように解釈していくかの研究を急ぐ予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例の登録及びデータの取集は着実に進んでいる.一方で,論文化に向けた作業が当初の目標よりも遅れているため,その実行を急ぐ所存である.
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Strategy for Future Research Activity |
データ収集に協力をいただいている施設からも発信をしてもらうよう支援する.具体的には,学会発表や論文化について最大限のサポートを行い,論文化につなげていきたいと考えている.それとあわせて,データベース化も進め,日本の医療政策における費用対効果評価の実践に役立てたい.
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Causes of Carryover |
本来,調査に協力していただいた臨床施設に支払う謝金の手続きが遅れているため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H29年度に確実に清算します.
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