2014 Fiscal Year Annual Research Report
チェルノブイリ小児甲状腺がんにおけるDNA修復関連遺伝子群の分子遺伝疫学研究
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26293142
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
光武 範吏 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 准教授 (50404215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻 朋男 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 准教授 (80508317)
サエンコ ウラジミール 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 准教授 (30343346)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 甲状腺がん |
Outline of Annual Research Achievements |
H26年度は、32例のチェルノブイリ原発事故に関連した放射線誘発小児甲状腺がん症例のゲノムDNA、事故当時同汚染地域に居住し、同じように放射性ヨードを摂取したと思われるが、現在までにがんを発症していないコントロール31例のゲノムDNAに対し、アジレント・テクノロジー社のSureSelect Human All Exon V5キャプチャーキットを用いて標的領域を濃縮し、全エクソーム解析を次世代シークエンサーIllumina社HiSeq2000を用いて施行した。 アライメントからindelとSNVコールはbwa-GATK、その後のアノテーションにはannovarソフトウエアを用いたパイプラインを構築し、変異データベースには、1000人ゲノム、6500エクソームデータ等、人種情報も含めたデータベースを導入し、出てきたSNVを評価できる解析系を立ち上げた。 また、コールされた変異遺伝子リストに対し、DNA修復関連遺伝子だけを抽出し、その機能・経路別にグループ分けを行って、がん症例とコントロール例で差異を見るプログラムも作成した。 以上の方法で解析を行ったところ、特定の機能に関連する遺伝子群において、がん症例に比較的多くの変異が集中して検出された。まだ解析した症例数が少なく、今後の検証作業や追加のデータ解析が必要であるが、これらの遺伝子群の機能低下が、放射線被曝後のがん発症に関与する可能性を示唆していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたエクソーム解析の実験法を確立し、ある程度の数を解析することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、エクソーム解析をもう少し拡充し、さらにデータ解析を進める。当初予定していたカスタムメイドキャプチャーに関しては、multiplex-PCR法も利用できないか検討していく。
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Causes of Carryover |
実験プロトコールの最適化、解析サーバーのパイプライン改良のため時間が掛かり、エクソーム解析数が予定より少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、速やかに上記解析を行う。
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[Journal Article] The Common Genetic Variant rs944289 on Chromosome 14q13.3 Associates with Risk of Both Malignant and Benign Thyroid Tumors in the Japanese Population2015
Author(s)
Rogounovitch TI, Bychkov A, Takahashi M, Mitsutake N, Nakashima M, Nikitski AV, Hayashi T, Hirokawa M, Ishigaki K, Shigematsu K, Bogdanova T, Matsuse M, Nishihara E, Minami S, Yamanouchi K, Ito M, Kawaguchi T, Kondo H, Takamura N, Ito Y, Miyauchi A, Matsuda F, Yamashita S, Saenko VA
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Journal Title
Thyroid
Volume: 25
Pages: 330-40
DOI
Peer Reviewed
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