2016 Fiscal Year Annual Research Report
年齢及び身体的特徴の推定による法医学的プロファイリング法の開発
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26293162
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
飯田 礼子 福井大学, 医学部, 准教授 (40139788)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 社会医学 / 生体分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
①年齢依存性発現生体分子M-LPの「年齢推定マーカー」としての有用性:ヒトM-LP (M-LPH)には少なくとも2種類のバリアントが存在し、異なる生理的機能をもつことが予測される。先に確立したTaqManプローブによるリアルタイムRT-PCRでは両バリアントがともに検出対象となるため個別の解析が不可能であった。そこで、各バリアントに特異的なmRNAレベルで定量法を開発した。 ②M-LPHの生理的機能の解析:M-LPHの生理的機能をより明確にするために、ヒト乳癌および肝臓癌細胞(MDA-MB-453およびHepG2)について、M-LPH遺伝子を標的としたCRISPR-Cas9システムによるゲノム編集(遺伝子ノックアウト)を試みた。その結果、ヘテロ変異型(M-LPH+/-)のMDA-MB-453細胞、さらに、ホモ変異型(M-LPH-/-)のHepG2細胞をそれぞれ得ることができた。M-LPH変異型細胞はいずれも野生型細胞に比べて増殖速度が明らかに低下し、核DNAの損傷が増加していた。 ③身体的特徴推定マーカーの開発:これまでに開発したreal-time PCRによるCNV解析法を用いて、昨年度に続いて身長との相関が予測されるLTBP1およびETV-6遺伝子のCNV解析を実施した。リファレンス遺伝子ZNF80と目的CNVの増幅効率に大きな相違は無く、適切な正規化と正確な判定が可能と考えられた。また、プラスミド混合物を用いた模擬分析においても正確なコピー数の算出が可能であった。また、日本人119名のDNAを用いて両遺伝子のCNV型判定を行った。コピー数と身長の間に逆相関の傾向が男女ともに認められたが、分散分析における有意差は無く、より大きな集団での再検討が必要と思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に予定していた計画を概ね実行し、予定通りの成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 年齢依存性発現分子M-LPH遺伝子を標的とした2種類のノックアウト細胞(MDA-MB-453, M-LPH+/-およびHepG2, M-LPH-/-)について、Western Blot、免疫蛍光染色などを用いて野生型との比較を行いM-LPHの機能を解明する。
2.開発したreal-time PCRによるCNV解析法を用いて、引き続き身長、体重などとの相関が予測される遺伝子のCNV解析を実施する。さらに、同じDNAサンプルについてヒト用にデザインされたTaqMan Copy Number Assaysキットを用いたCNV解析を行い、両者の比較・検討を行う。
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Causes of Carryover |
試薬や器具類をキャンペーンの利用により購入したため差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H29年度研究費の物品費と合わせて、試薬等の消耗品の購入に使用する。
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Research Products
(3 results)