2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストンアセチル化制御メカニズム解明による治療法開発
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26293166
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
猪阪 善隆 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00379166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貝森 淳哉 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70527697)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腎臓内科 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス出生後のヒストン修飾の変化を網羅的に検討し、生後14日目を境にヒストンアセチル化が亢進するH4K20は、興味深いことに、通常ヒストンのアセチル化は発現が亢進している遺伝子の転写開始部位に多く存在するが、H4K20Acは、発現が抑制されている遺伝子の転写開始部位と終止部位に存在していることが確認できており、その制御機構は他のヒストン修飾と異なっていることが明らかとなった。そこで、次世代高速シークエンサーを用いて、motif解析をおこなったところ、AP2-, C-Myc, STAT1, C-Jun, C-Fos等ほとんどのtranscription activatorの転写因子結合領域においてH4K20のアセチル化が起こっているが、AP2-, C-Myc, STAT1, C-Jun, C-Fosの転写因子が結合している場合には、H4K20のアセチル化が起こっていないことが確認できた。すなわち、これらのtranscription activatorの転写因子結合領域においてH4K20のアセチル化が起こると、転写因子が結合できなることが明らかとなった。しかし、転写因子の中で唯一NRSFのみが、H4K20のアセチル化が起こると、転写因子が結合できることが明らかとなり、H4K20アセチル化による転写制御機構が明らかとなった。NRSFは心肥大に関与することも報告されており、H4K20Acは遺伝子抑制性に作用し、何らかの細胞肥大とも関係があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、予定通り、研究を遂行できており、これまでの成果については、論文としてまとめており、Nature Communicationに投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
NRSFは心肥大に関与することも報告されており、H4K20Acは遺伝子抑制性に作用し、何らかの細胞肥大とも関係があることが示唆されたことから、細胞肥大における病態との関連、あるいは老化・癌化などとの病態の解明についてさらに検討を深める。
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