2016 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病治療薬によるアルツハイマー病治療戦略の基盤構築
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26293168
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 浩一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00528424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樂木 宏実 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20252679)
沢村 達也 信州大学, 医学部, 教授 (30243033)
里 直行 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70372612)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / レニン-アンジオテンシン系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では4つの戦略に基づく計画・方法を立案している。戦略1では本研究の基礎であるRAGEリガンドがRAGE-AT1複合体を介してAT1を活性化することを、RAGEリガンドとして証明することを目的とした。昨年度の成果としてCHO細胞への遺伝子導入の検討でRAGEリガンドによるAT1活性化のメカニズムがangiotensin IIによるAT1活性化様式とは異なる事を見出した。angiotensin IIによるAT1活性化時には数種類のG蛋白の活性化とβarrestin2依存性シグナルの活性化が同時に生じる事で種々の細胞反応が生じる事が知られているが、RAGEリガンドによるAT1活性化時のG蛋白の活性化様式はそれとは異なった。RAGEシグナルとAT1シグナルの細胞反応の違いを説明できるメカニズムであり、今後さらに検討する予定である。戦略2ではRAGEリガンドであるAβがRAGEを介してAT1を活性化することで神経傷害を惹起することを証明する。神経細胞や遺伝子導入CHO細胞を用いた検討を行っており、RAGE, AT1依存性の細胞内シグナルが観察されており更に検討する。戦略3ではAβのRAGEを介するAT1活性化がAβの細胞内移行に関与する事を証明する。Aβ以外のRAGEリガンドによる刺激時のAT1の細胞内移行をFRETで検証する実験を進めている。今後Aβでも検証する予定である。戦略4ではAβによるRAGE依存性の認知症発症機序にAT1活性化が関与する事を、マウスを用いて証明する。AT1欠損/APP23tgマウスを用いた行動実験を開始している。今後経静脈的に投与したAβがAT1依存性に脳内移行を起こすか検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述のように戦略1では当初の予測と異なる結果が出ており、解析を更に進めるため時間を要した。戦略2に関しては当初条件設定に時間を要したため、遅延が生じているが現在は進行している。戦略4は当初の予定よりマウスの繁殖に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
戦略1に関しては結果が完成すれば論文を作成する。戦略2, 4に関しては認知症研究を専門領域とする研究者と研究を推進しており今後も継続していく。戦略3に関しては分子イメージングを専門とする研究室と共同し研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
進捗状況に記載した通り、完了予定であった戦略1, 2が完了していない。また戦略3に関しても、次年度の本実験に経費を必要とするものが存在する。戦略4に関してもマウスの繁殖に遅延が生じているため持ち越す必要がある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
戦略1,2,3に関しては細胞実験や試薬費に使用する予定である。戦略4には動物維持費や動物組織を用いた実験や試薬費に使用する予定である。
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