2015 Fiscal Year Annual Research Report
「脱細胞化マトリックスを用いた心臓の再生」~立体臓器構築をめざした基盤技術の確立
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26293188
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
李 鍾國 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座准教授 (60303608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 繁 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授(常勤) (70544237)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 再生医学 / 組織工学 / 脱細胞化マトリックス / 臓器構築 / 3次元心筋組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題においては、これまでに3次元心筋組織の構築を目的として、成獣ラット心臓を界面活性剤を用いて脱細胞処理を行い、新生仔ラット培養心臓構成細胞を冠動脈から再播種し、再細胞化を行った。その結果、再播種数日後より再細胞化心臓は収縮を示し、典型的なサンプルでは立体組織全体に安定した興奮伝播を示したが、一部の心臓では興奮は不安定であった(Yasui et al. Biomaterials. 2014)。この興奮伝播の不均一性は、再播種心筋の不十分かつ不均一な生着が原因と考え、ラット心臓構成細胞、特に心筋細胞においてintegrin-beta1、laminin-a2、VE-cadhelin等の接着因子発現を促進するパラクライン因子の探索を行った。その結果、EGF, bFGF, vEGF, IGF1, Ascorbic acid, Heparin, Hydrocortisone を含む培養液中で培養を行うと、培養3日目における心筋細胞のlaminin-a2とVE-cadhelinの遺伝子発現が有意に増強した。一方、integrinの発現は有意な差が見られなかった。 一方、ラットおよびヒトiPS細胞から心筋細胞への分化誘導を行い、ほぼすべてのサンプルで自己拍動細胞塊を得ている。ライブセルイメージング法による観察により、心筋細胞様の活動電位およびCaトランジエントが見られており、iPS細胞由来心筋細胞を用いた3次元心筋組織構築に向けた研究を現在進めている。 新生仔ラット心臓に対して界面活性剤を用いた脱細胞化を行ったところ、成獣心臓同様にほぼすべての細胞成分が除去され、3次元心筋組織構築のscaffoldとなりうることが示唆され、再細胞化心臓の構築に向けた研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
成獣心由来マトリックスをすべて再細胞化するに十分に足る数のiPS細胞由来心筋細胞を得ることにおいて技術的な困難が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
iPS細胞由来心筋細胞を用いた3次元心臓組織の構築と心臓構成細胞が細胞外マトリックスへの生着・生存に及ぼす関連因子の探索を行う。前者については、今後得ることが可能なiPS細胞由来心筋細胞数に対応するために、細胞外マトリックスを成獣ラット心筋ではなく、より幼若な心臓を用い、播種心筋細胞の数を減らし、研究を遂行する。後者については、血管内皮関連因子、炎症性サイトカイン、ストレス関連因子、心筋発生・成長因子の影響をQ-PCRやハイコンテンツイメージングシステム・ハイスループットスクリーニングシステム等を用い探索する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] A New In Vitro Co-Culture Model Using Magnetic Force-Based Nanotechnology.2016
Author(s)
Takanari H, Miwa K, Fu X, Nakai J, Ito A, Ino K, Honda H, Tonomura W, Konishi S, Opthof T, van der Heyden MA, Kodama I, Lee JK
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Journal Title
J Cell Physiol
Volume: 9999
Pages: 1-8
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Generation of Induced Pluripotent Stem Cells From Patients With Duchenne Muscular Dystrophy and Their Induction to Cardiomyocytes2016
Author(s)
Hashimoto A, Naito AT, Lee JK, Kitazume-Taneike R, Ito M, Yamaguchi T, Nakata R, Sumida T, Okada K, Nakagawa A, Higo T, Kuramoto Y, Sakai T, Tominaga K, Okinaga T, Kogaki S, Ozono K, Miyagawa S, Sawa Y, Sakata Y, Morita H, Umezawa A, Komuro I
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Journal Title
Int Heart J
Volume: 57
Pages: 112-117
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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