2015 Fiscal Year Annual Research Report
オプチニューリン変異マウスによる筋萎縮性側索硬化症の病態解明・治療法の開発
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26293211
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
丸山 博文 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 准教授 (90304443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 秀史 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (70253060)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オプチニューリン / 筋萎縮性側索硬化症 / モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis: ALS)の原因遺伝子として同定したオプチニューリン(optineurin; OPTN)はNF-κB活性の抑制やオートファジーとの関連が指摘されている。またOPTNは孤発性ALS患者や変異型SOD1 (superoxide dismutase 1)による家族性ALS患者の下位運動ニューロン内でそれぞれ見られるTDP-43、SOD1陽性の封入体に局在する。さらにヒト変異型SOD1トランスジェニックマウス(hSOD1)において末期に脊髄内ミクログリアでOPTNのmRNAの発現量が増加していることが報告されている。これらが発症にどのように関与しているかについてモデルマウスを用いて検討している。 各種作成済みの変異マウスについてはgenotypingにより変異の導入が確認されているものの飼育を継続している。 OPTNノックアウト(OPTN-KO)マウスは現在のところ臨床症状を確認できる個体はない。 また病理学的に検討を行ったところ興味ある結果を得られつつある。多数例での検討により統計学的に比較検討できるように飼育を継続している。 OPTN変異導入マウス3種類に関しては飼育を継続し、純化・繁殖をすすめ評価を継続中である。 SOD1のG93A変異とOPTN-KOをかけあわせたマウスおよびGFP-LC3とOPTN-KOをかけあわせたマウスについても飼育を継続し、純化・繁殖をすすめ、臨床症状の評価が継続できている。オプチニューリンを欠損したhSOD1マウスはhSOD1マウスと比較して体重の減少が一時的に軽減し、運動機能障害の進行が緩和され、生存期間の延長が認められた。末期のhSOD1/OPTN-KOマウスの腰髄ではこれまでALS発症との関連が示唆されているタンパクのmRNA量がhSOD1に比べて増加していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
オプチニューリン変異導入マウスで未だ臨床症状をきたす個体が得られていない。しかしながら病理学的検討では興味ある結果が得られつつある。 さらにヒトSOD1変異(hSOD1)やGFP-LC3とOPTN-KOを掛け合わせたマウスも飼育が継続できている。hSOD1/OPTN-KOマウスについては腰髄mRNAの定量解析も行っている。 ノックアウトマウスの状況からは、これらのマウスすべてが評価可能となるのは1年程度さらに飼育期間が必要であると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
hSOD1/OPTN-KOマウス、およびOPTN-KOとGFP-LC3をかけあわせたマウスの飼育を継続し、臨床症状の発現、病理学的検討および病期ごとに腰髄でのmRNA発現量の解析を行う。 ALS症状の評価の方法としては体重・ロターロッド・フットプリント・握力・症候学的スコア・生存曲線で行う。 Neurofilament、GFAP、IbaI、Oligo2を用いて神経細胞・アストロサイト・マイクログリア・オリゴデンドロサイトについて評価する。また病態と関連を想定しているUbiqitin、リン酸化TDP43、LCs、NF-κB、p62、TGN-46を用いて評価する。これらの指標を用いて運動ニューロンの減少や封入体形成の有無などについて同年齢のコントロールと比較して検討する。さらに末期症状のマウスでは腰髄を採取してリアルタイムPCRによりALS発症に関連するタンパクのmRNA発現量を解析する。このような比較を統計学的に検討する。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Tongue thickness evaluation using ultrasonography can predict swallowing function in amyotrophic lateral sclerosis patients2016
Author(s)
Masahiro Nakamori, Naohisa Hosomi, Sachiko Takaki, Masaya Oda, Aya Hiraoka, Mineka Yoshikawa, Hayato Matsushima, Kazuhide Ochi, Kazuhiro Tsuga, Hirofumi Maruyama, Yuishin Izumi, Masayasu Matsumoto
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Journal Title
Clinical Neurophysiology
Volume: 127
Pages: 1669-1674
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] The Japan Statin Treatment against Recurrent Stroke (J-STARS): a multicenter, randomized, open-label, parallel-group study2015
Author(s)
N Hosomi, Y Nagai, T Kohriyama, T Ohtsuki, S Aoki, T Nezu, Hirofumi Maruyama, N Sunami, C Yokota, K Kitagawa, Y Terayama, M Takagi, S Ibayashi, M Nakamura, H Origasa, M Fukushima, E Mori, K Minematsu, S Uchiyama, Y Shinohara, T Yamaguchi, M Matsumoto
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Journal Title
EBioMedicine
Volume: 2
Pages: 1071-1078
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] A mutation in the low voltage-gated calcium channel CACNA1G alters the physiological properties of the channel, causing spinocerebellar ataxia2015
Author(s)
Hiroyuki Morino, Yukiko Matsuda, Keiko Muguruma, Ryosuke Miyamoto, Ryosuke Ohsawa, Toshiyuki Ohtake, Reiko Otobe, Masahiko Watanabe, Hiforumi Maruyama, Kouichi Hashimoto, Hideshi Kawakami
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Journal Title
Molecular Brain
Volume: 8
Pages: 89
DOI
Peer Reviewed
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