2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26293247
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
野阪 哲哉 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30218309)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | MLL / 白血病幹細胞 / MLL-ENL / PLZF |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の研究室で独自に開発したCre-loxPを用いたMLL-ENL誘導発現型トランスジェニックマウスを使った実験により、造血幹細胞から白血病幹細胞が生じる場合はPLZFが重要な役割を担うことが明らかとなったが(Ono R et al., Blood 122, 1271-83, 2013)、その詳細な分子機構は依然未解明である。 平成26年度はPLZF機能喪失変異マウスを準備し、同マウスの骨髄細胞から造血幹/前駆細胞を単離し、MLL-ENLを発現するレトロウイルスベクターを感染させ、コロニー継代アッセイを行ったところ、予想に反してコントロールマウスとの比較においてMLL-ENLによる不死化に有意差が観察されなかった。MLL-ENLの発現レベルが高すぎる問題や造血幹細胞のみを標的とした実験ではないことから慎重な解釈が必要ではあるが、少なくとも、後からのノックダウンと異なり、最初からの欠損の場合はPLZFに代わる因子が代償性に機能している可能性が高い。ひとつの可能性として、その因子はPLZFの下流の遺伝子が考えられる。 我々はPLZF強制発現細胞を用いて、PLZFによって発現が上昇し、自身の単独強制発現のみで造血細胞を不死化する遺伝子Xを同定した。平成26年度は遺伝子Xのプロモーター領域を用いたルシフェラーゼレポーターコンストラクトの作製、PLZF抗体を用いたクロマチン免疫沈降アッセイの条件決定、遺伝子Xのノックダウン用ベクターコンストラクトの作製、X蛋白が機能するためのトポロジカルな影響を探るためのエストロゲン受容体遺伝子との融合遺伝子コンストラクトの作製などを終え、いくつかの興味深い予備実験データも得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の通り、PLZFによるによる遺伝子Xの発現調節やX蛋白の機能を探るための準備は完了し、一部、興味深いデータも得られたので、おおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は遺伝子Xの発現調節と機能に関する解析を終え、PLZF-RAR alphaによる白血病発症における遺伝子Xの役割も明らかにしたい。また、X蛋白の阻害剤による抗腫瘍効果も探りたい。
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Causes of Carryover |
実験が順調に進行し、想定量以下の消耗品で研究を行うことができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
基金分から繰り越した予算は、論文投稿後に審査員から要求されるであろう新たな実験における消耗品購入費として使用予定である。
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Remarks |
研究室ホームページ http://www.medic.mie-u.ac.jp/microbiol/
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[Presentation] Immunological diversity of mucosa-associated lymphoid tissues for the development of mucosal vaccine.2015
Author(s)
Nagatake T, Matsumoto N, Shimojou M, Suzuki H, Fukuyama S, Sato S, Ogami K, Tsujimura Y, Kawano M, Nosaka T, Kiyono H, Yasutomi Y, Kunisawa J.
Organizer
第8回次世代アジュバント研究会
Place of Presentation
千里ライフサイエンスセンター
Year and Date
2015-01-20
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