2015 Fiscal Year Annual Research Report
胎児発育不全児の中枢神経障害に対する幹細胞治療の開発
Project/Area Number |
26293252
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
早川 昌弘 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院教授 (40343206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 義朗 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (30435862)
奥村 彰久 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60303624)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 胎児発育遅延 / 幹細胞療法 / アメロイドコンストリクター |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度はアメロイドコンストリクターを用いた虚血・再灌流モデルを用いたFGRラットモデルの確立を行った。 これまで我々は、妊娠17日目に開腹し子宮動脈を40分間クランプした後、クランプを解除して閉腹し妊娠を継続させ、妊娠22日目に通常経膣分娩に至る方法でFGRモデルラットを作製していた。これにより日齢4での体重はFGR群 7.72±0.80g、コントロール群 10.4±0.39gで有意差を認め(p<0.05)、FGRモデルラットが作製されることを確認した。 これに加え、さらにより病態に近いモデルを実現するためアメロイドコンストリクターを使用した慢性虚血モデルの作製に取り組んだ。アメロイドコンストリクターについては金属製のリング内部にドーナツ状のガゼインコアのある閉鎖具であり、血管周囲に装着後、体液を徐々に吸収し、ガゼインコアが膨張することで中心の穴が狭小化し緩徐に血管を閉塞させることが可能であり、一時的な虚血・再灌流よりも慢性的な血流制限を起こし、子宮内発育遅延により近い形のモデルが実現できる。サイズについては最も生存率が高く、成長制限を実現できるサイズを選定し、中心孔内径が0.4mmのアメロイドコンストリクターが最適であることを明らかにした。実際にアメロイドコンストリクターを用いた虚血モデルでは、日齢4での体重は6.89±0.76gであり、従来のモデルよりも低い体重を実現できている。また出生率については手術中に確認した胎児数と出生数について差異なく生まれている。 28年度は、新しく開発されたFGRモデルラットの病理学的、行動学的検討、また様々な細胞の治療効果を確認していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最適なモデル作製に時間を要したため、研究の進行が遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
より病態に近い新たな慢性虚血モデルの作製に成功した。すでに各種細胞の調製、病理学的検討、各種行動実験の実験系は確立しているため、本モデルの病態解明と各種細胞の治療効果を検討していく。
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Causes of Carryover |
病態や治療機序解明では、免疫組織学的、分子生物学的に行う予定の各種試薬を購入予定であったが、モデル作製に時間を要し、実験が遅れたため次年度未使用額生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験の進行が遅れている各種試薬の購入に使用する予定である。
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Research Products
(38 results)
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[Journal Article] Increased fetal heart rate variability in periventricular leukomalacia2016
Author(s)
Kurahashi H, Okumura A, Kubota T, Kidokoro H, Maruyama K, Hayakawa M, Itakura A, Matsuzawa K, Yamamoto H, Kato T, Hayakawa F, Watanabe K.
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Journal Title
Brain Dev
Volume: 38
Pages: 196-203
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Risk factors for surgical intestinal disorders in VLBW infants: Case-control study.2016
Author(s)
Okuyama H, Ohfuji S, Hayakawa M, Urushihara N, Yokoi A, Take H, Shiraishi J, Fujinaga H, Ohashi K, Minagawa K, Misaki M, Nose S, Taguchi T.
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Journal Title
Pediatr Int.
Volume: 58
Pages: 34-39
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Pneumothoraces as a fatal complication of congenital diaphragmatic hernia in the era of gentle ventilation.2015
Author(s)
Terui K, Nagata K, Ito M, Yamoto M, Shiraishi M, Taguchi T, Hayakawa M, Okuyama H, Yoshida H, Masumoto K, Kanamori Y, Goishi K, Urushihara N, Kawataki M, Inamura N, Kimura O, Okazaki T, Toyoshima K, Usui N.
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Journal Title
Pediatr Surg Int.
Volume: 31
Pages: 891-897
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Multicenter observational study comparing sedation/analgesia protocols for laser photocoagulation treatment of retinopathy of prematurity2015
Author(s)
Sato Y, Oshiro M, Takemoto K, Hosono H, Saito A, Kondo T, Aizu K, Matsusawa M, Futamura Y, Asami T, Terasaki H, Hayakawa M.
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Journal Title
J Perinatol.
Volume: 35
Pages: 965-969
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Outcome in VLBW infants with surgical intestinal disorder at 18 months of corrected age.2015
Author(s)
Hayakawa M, Taguchi T, Urushihara N, Yokoi A, Take H, Shiraishi J, Fujinaga H, Ohashi K, Oshiro M, Kato Y, Ohfuji S, Okuyama HC, Yoshida H, Sugiura K, Itomi S, Ohno K, Takanashi JI, Hayakawa M, Otsubo H, Okumura A
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Journal Title
Pediatr Int
Volume: 57
Pages: 633-638
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Administration of umbilical cord blood cells transiently decreased hypoxic-ischemic brain injury in neonatal rats.2015
Author(s)
Hattori T, Sato Y, Kondo T, Ichinohashi Y, Sugiyama Y, Yamamoto M, Kotani T, Hirata H, Hirakawa A, Suzuki S, Tsuji M, Ikeda T, Nakanishi K, Kojima S, Blomgren K, Hayakawa M
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Journal Title
Dev Neurosci
Volume: 37
Pages: 95-104
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] The comparison of clinical manifestations between term infants and late preterm infants with hypoxic-ischemic encephalopathy2015
Author(s)
Hayakawa M, Ito Y, Saito S, Mitsuda M, Hosono S,Yoda H, Cho K, Otuki K, Ibara S, Terui K, Masumoto K, Murakoshi T, Nakai A,Tanaka M, Nakamura T
Organizer
Hottopics in neonatology 2015
Place of Presentation
Washington DC, USA
Year and Date
2015-12-06 – 2015-12-09
Int'l Joint Research
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[Presentation] 13q欠失症候群の1例2015
Author(s)
津田 弘之, 伊藤 美春, 齊藤 明子, 近藤 大貴, 佐藤 義朗, 早川 昌弘
Organizer
第60回日本新生児成育医学会学術集会
Place of Presentation
盛岡地域交流センター (岩手県盛岡市)
Year and Date
2015-10-23 – 2015-10-25
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[Presentation] 13トリソミーにおける在宅医療移行に関連する因子の検討2015
Author(s)
北瀬 悠磨,早川 昌弘, 佐藤 義朗, 近藤 大貴, 齊藤 明子, 大城 誠, 立花 貴史, 家田 訓子, 加藤 英子, 加藤 有一, 服部 哲夫, 林 誠司, 伊東 真隆, 兵藤 玲奈, 村松 友佳子
Organizer
第60回日本新生児成育医学会学術集会
Place of Presentation
地域交流センター (岩手県盛岡市)
Year and Date
2015-10-23 – 2015-10-25
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[Presentation] 入院中にヒト・パレコウイルス3型による血球貪食症候群を呈し、重症化した超低出生体重児の1例2015
Author(s)
片岡 英里奈, 北瀬 悠磨, 鈴木 俊彦, 杉山 裕一朗, 松沢 要, 見松 はるか, 伊藤 美春, 近藤 大貴, 齊藤 明子, 村松 友佳子, 佐藤 義朗, 早川 昌弘, 城所 博之
Organizer
第60回日本新生児成育医学会学術集会
Place of Presentation
地域交流センター (岩手県盛岡市)
Year and Date
2015-10-23 – 2015-10-25
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[Presentation] 早産児における予定日相当のProton MR spectroscopy(MRS)と神経学的予後との検討2015
Author(s)
兵藤 玲奈, 佐藤 義朗, 伊藤 美春, 片岡 英里奈, 杉山 裕一朗, 鈴木 俊彦, 北瀬 悠磨, 見松 はるか, 松沢 要, 齊藤 明子, 近藤 大貴, 孫田 みゆき, 村松 友佳子, 城所 博之, 早川 昌弘
Organizer
第60回日本新生児成育医学会学術集会
Place of Presentation
地域交流センター (岩手県盛岡市)
Year and Date
2015-10-23 – 2015-10-25
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[Presentation] 早産児における炭酸ガス換気応答と無呼吸発作との関連2015
Author(s)
鈴木 俊彦, 佐藤 義朗, 片岡 英里奈, 北瀬 悠磨, 杉山 裕一朗, 見松 はるか, 松沢 要, 伊藤 美春, 近藤 大貴, 齊藤 明子, 村松 友佳子, 早川 昌弘
Organizer
第60回日本新生児成育医学会学術集会
Place of Presentation
地域交流センター (岩手県盛岡市)
Year and Date
2015-10-23 – 2015-10-25
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[Presentation] 先天性横隔膜ヘルニアの遠隔期肺高血圧 胎児肺容積は予測因子となりうるか2015
Author(s)
深澤 佳絵, 早野 聡, 沼口 敦, 岸本 泰明, 伊藤 美春, 齊藤 明子, 佐藤 義朗, 早川 昌弘, 津田 弘之, 小谷 友美, 加藤 太一
Organizer
第51回日本小児循環器学会学術集会
Place of Presentation
ホテル日航東京 (東京都港区)
Year and Date
2015-07-16 – 2015-07-18
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[Presentation] 硫酸マグネシウム投与母体から出生した児における骨代謝と骨障害に関する検討2015
Author(s)
見松 はるか, 早川 昌弘, 佐藤 義朗, 村松 友佳子, 近藤 大貴, 伊藤 美春, 杉山 裕一朗, 鈴木 俊彦, 北瀬 悠磨, 片岡 英里奈, 炭竈 誠司, 小谷 友美
Organizer
第51回日本周産期・新生児医学会学術集会
Place of Presentation
ヒルトン福岡シーホーク (福岡県福岡市)
Year and Date
2015-07-10 – 2015-07-12
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[Presentation] 低出生体重児消化管機能障害における腸瘻閉鎖時期と術後経過2015
Author(s)
望月 響子, 奥山 宏臣, 早川 昌弘, 漆原 直人, 横井 暁子, 白石 淳, 藤永 英志, 大橋 研介, 永田 公二, 天江 新太郎, 古川 泰三, 矢内 俊裕, 低出生体重児消化管機能障害の疾患概念確立に向けた疫学調査研究班
Organizer
第51回日本周産期・新生児医学会学術集会
Place of Presentation
ヒルトン福岡シーホーク (福岡県福岡市)
Year and Date
2015-07-10 – 2015-07-12
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[Presentation] 極低出生体重児におけるMRIについての検討 NEC、FIPとの差異2015
Author(s)
江角 元史郎,永田 公二, 落合 正行, 田口 智章, 早川 昌弘, 漆原 直人, 望月 響子, 横井 暁子, 白石 淳, 藤永 英志, 大橋 研介, 大藤 さとこ, 天江 新太郎, 古川 泰三, 矢内 俊裕, 田附 裕子, 奥山 宏臣, 低出生体重児の消化管機能障害に関する周産期背景因子の疫学調査研究班
Organizer
第51回日本周産期・新生児医学会学術集会
Place of Presentation
ヒルトン福岡シーホーク (福岡県福岡市)
Year and Date
2015-07-10 – 2015-07-12
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[Presentation] 新生児先天性横隔膜ヘルニアに対する手術アプローチの比較 システマティックレビューとメタ解析2015
Author(s)
照井 慶太, 永田 公二, 伊藤 美春, 矢本 真也, 白石 真之, 田口 智章, 早川 昌弘奥山 宏臣, 吉田 英生, 増本 幸二, 金森 豊, 五石 圭司, 漆原 直人, 川瀧 元良, 稲村 昇, 木村 修, 岡崎 任晴, 豊島 勝昭, 臼井 規朗, 先天性横隔膜ヘルニア研究グループ
Organizer
第51回日本周産期・新生児医学会学術集会
Place of Presentation
ヒルトン福岡シーホーク (福岡県福岡市)
Year and Date
2015-07-10 – 2015-07-12
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[Presentation] 小児外科におけるナショナルスタディと診断治療ガイドラインの構築 極低出生体重児の消化管機能障害に関する周産期背景因子ならびに予後の検討2015
Author(s)
奥山 宏臣, 大藤 さとこ, 早川 昌弘, 漆原 直人, 横井 暁子, 白石 淳, 望月 響子, 藤永 英志, 大橋 研介, 永田 公二, 天江 新太郎, 古川 泰三, 矢内 俊裕, 田附 裕子, 皆川 京子, 低出生体重児消化管機能障害の疾患概念確立に向けた疫学調査研究班
Organizer
第51回日本周産期・新生児医学会学術集会
Place of Presentation
ヒルトン福岡シーホーク (福岡県福岡市)
Year and Date
2015-07-10 – 2015-07-12
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[Presentation] 小児外科におけるナショナルスタディと診断治療ガイドラインの構築 先天性横隔膜ヘルニアの手術時期に関するsystematic reviewとメタ解析2015
Author(s)
永田 公二, 照井 慶太, 伊藤 美春, 白石 真之, 矢本 真也, 早川 昌弘, 奥山 宏臣, 稲村 昇, 金森 豊, 五石 圭司, 田附 裕子, 横井 暁子, 川瀧 元良, 漆原 直人, 岡崎 任晴, 木村 修, 増本 幸二, 豊島 勝昭, 臼井 規朗, 田口 智章, 新生児先天性横隔膜ヘルニア研究グループ
Organizer
第51回日本周産期・新生児医学会学術集会
Place of Presentation
ヒルトン福岡シーホーク (福岡県福岡市)
Year and Date
2015-07-10 – 2015-07-12
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[Presentation] Outcomes in very-low-birth-weight infants with surgical intestinal disorders at 18 months’ corrected age.2015
Author(s)
Hayakawa M, Taguchi T, Urusihara N, Yokoi A, Take H, Shiraishi J, Fujinaga H, Ohashi K, Oshiro M, Kato Y, Ohfuji S, Okuyama H.
Organizer
Pediatric Academic Society 2015
Place of Presentation
San Diego, USA
Year and Date
2015-04-24 – 2015-04-29
Int'l Joint Research
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