2014 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病の早期診断用シナプス前コリン作動性神経分子イメージング剤の開発
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26293273
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
柴 和弘 金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (40143929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 陽二 金沢大学, 学際科学実験センター, 准教授 (10368483)
小阪 孝史 金沢大学, 学際科学実験センター, 助教 (50579836)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ベサミコール類似体 / アセチルコリントランスポーター(VAChT) / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、アルツハイマー病の早期診断、重症度診断および治療効果判定が可能なPET用のポジトロン核種標識VAChTイメージング剤を開発すべく、これまでの研究で得られた知見を基にオルト位にヨウ素を有するo-iododecaline vesamicol(OIDV)の放射性ヨウ素の代わりに[C-11]標識メチル基を導入した種々のdecaline類縁体を6-8工程で合成し、質量分析、NMR等により構造解析して、目的のdecaline類縁体を得た。これらの類縁体のVAChTおよびシグマ受容体(σ-1、σ-2)に対する親和性を調べるために、[H-3]vesamicol,[H-3]pentazocine,[H-3]DTGのラジオアイソトープを用いたin vitro実験を行った。その結果、VAChT親和性はOIDVやvesamicolよりは良いものの、シグマ受容体(σ-1、σ-2)に対する親和性のかなり見られた。そこで、来年度も、引き続き新しいdecaline類縁体を合成し、in vitro実験を行った結果、27年7月までに、オルト位にヨウ素を有するo-methylecaline vesamicol(OMDV)が高いVAChT親和性を有し、シグマ受容体(σ-1、σ-2)に対する親和性が低いことが確認された。そこで、[C-11]標識実験やin vivo動物実験も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アセチルコリントランスポーター(VAChT)のみに親和性を有する新しいdecaline類縁体を合成していく段階で、少し目的のVAChT親和性・選択性に優れた化合物を得ることができず、 少し進捗状況が青くれた。しかし、平成27年7月には目的のVAChT親和性・選択性に優れたdecaline類縁体の合成に成功し、[C-11]標識の検討たin vivo動物実験も順調に検討が行われており、遅れを取り戻しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
VAChT親和性・選択性に優れたdecaline類縁体であるo-methylecaline vesamicol(OMDV)の[C-11]標識化およびin vivo度物実験を行い、[C-11]OMDVのVAChTイメージング剤としての有用性を検討していく。
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Causes of Carryover |
平成26年8月、7月に行った事合成化合物のin vitro評価実験の結果、事前準備で合成した化合物がVAChT親和性以外に予期していなかったシグマ受容体への親和性を有していた。本研究遂行上、コリン作動性神経系の変化のみを調べる必要があることから、VAChTにのみ高い親和性を有する新規化合物を合成したうえで、in vitro評価実験を行う必要が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
VAChTのみに親和性の高い新規vesamicol類縁体の合成をするため、合成を手伝う実験補助員を雇用する費用および合成試薬に使用する。
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