2014 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌における繊維芽細胞増殖因子受容体様タンパクに対する抗体治療の研究
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26293302
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
嶋田 裕 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30216072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 一治 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (50456836)
武井 義則 京都大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (30502455)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 癌 / 抗体治療 / 食道癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
FGRRL1に対するポリクローナル抗体の作成は数個の抗体を作成したが、結合力は有るものの増殖抑制活性が高いものが得られず、標的を設定したモノクローナル抗体作成に移行した。モノクローナル抗体は数個の抗体産生ハイブリドーマの作成が可能であり現在、抗体精製のための無血清培養化を行っている。同時にリコンビナントFGFRL1をターゲットとしたファージディスプレー法による抗体作成も平行して行っている。 FGFRL1の機能解析では、食道癌においてFGFRL1がメインとなる予後因子であり、FGFR1とFGFR4がサポート的役割を果たしていることを組織アレイにより明らかとした。さらにDuoLinkによりFGF2の作用下にFGFRL1とFGFR1またはFGFRL1とFGFR4が共にHeterodimerを形成することを明らかとした。食道癌の遺伝子解析では解析した29種の食道癌細胞株においてFGFRL1に変異を認めず、FGFRL1の作用の主体は発現亢進である事が判明した。 FGFRL1ノックアウト細胞の作成は現在数クローンが採取できており、遺伝子解析の為に培養中であるが、FGFRL1が細胞周期に関係することから増殖速度が遅く時間がかかっている。 血中FGFRL1の検出については条件がまだ定まって居らず検討中である。 新たな食道癌特異的抗体の検出はファージディスプレーにより解析中で、現在まで10例の食道癌患者リンパ球から抗体ライブラリーの作成を行った。現在、ライブラリー作成をほぼ終了し、絞り込みに着手している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、初年度内に作成予定であった抗FGFRL1ポリクローナル抗体に癌細胞の抑制効果が得られず、増殖抑制効果が得られる部位の再検討で直接モノクローナル抗体の作成を目指した。しかしながら当初使用したミエローマの増殖が悪く、新たなミエローマの購入でようやく増殖抑制活性のあるクローンを採取でき、現在無血清化が進み始めたところである。それ以外の研究計画はほぼ順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、抗FGFRL1モノクローナル抗体作成、血中FGFRL1断片検出、FGFRL1ノックアウト細胞作成、ファージディスプレーによる抗FGFRL1抗体作成に対して、それぞれ改良を重ね検討する。抑制抗体ができ次第、抑制メカニズムなどの解析予定である。また細胞株での heterodimerが実際の臨床検体でも検出されるかどうか、組織アレイでの条件設定を進めているが、終わり次第解析予定である。平行してFGFRL1のシグナル伝達に関して新たに見いだしたターゲットに対する抑制効果を検討するとともに、ネットワーク解析により抗体治療の判定マーカーの検出に取りかかる予定である。また食道癌症例からの検体採取を継続し、精度のある食道癌特異的抗体のライブラリー作成を目指す。
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Research Products
(6 results)