2015 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌における繊維芽細胞増殖因子受容体様タンパクに対する抗体治療の研究
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26293302
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
嶋田 裕 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30216072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 一治 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (50456836)
武井 義則 京都大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (30502455)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 癌 / 抗体作成 / 食道癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
FGRRL1に対する数種類のモノクローナル抗体作成に成功した。抗体単独では60%の増殖抑制効果が得られた。現在、FGFRL1の機能解析から推測されるシグナル経路の抑制剤との併用で40%までの増殖抑制効果が得られた。今後、動物実験による効果判定ならびにADCC活性の有無を検討予定である。並行してヒト化抗体作成に取りかかっている。 ファージディスプレーによる食道がん患者からのFGFRL1抗体の濃縮並びに、リコンビナントFGFRL1をターゲットとしたファージディスプレー法による抗体作成はまだ上手くいっていない。ファージディスプレーでは新たな食道癌特異的抗体の検出も解析中で、現在まで10例の食道癌患者リンパ球から抗体ライブラリーの作成を行った。現在、ライブラリー作成をほぼ終了し、絞り込みに着手している。 FGFRL1の機能解析では、食道癌においてFGFRL1がメインとなる予後因子であり、さらにDuoLinkによりFGF2の作用下にFGFRL1とFGFR1またはFGFRL1とFGFR4が共にHeterodimerを形成することを明らかとした。さらにはこれまで予測されていなかったFGFRL1のシグナル伝達に関与する物質を新たに同定した。 FGFRL1ノックアウト細胞の作成にも成功し、ノックアウト細胞では細胞突起の減少、増殖速度の低下が認められている。現在、運動能、浸潤能の解析やシグナル経路の解析などを進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遅れていたモノクローナル抗体の作成に成功し、FGFRL1のノックアウト細胞の作成にも成功した。新たな食道癌特異的抗体の検出にはまだ時間を要することが推測されるが、概ね順調に進んでいると考えている。FGFRL1のノックアウト細胞の作成に成功したことからFGFRL1機能解析が大幅に進むと期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
作成に成功した抗体の動物実験での効果判定とノックアウト細胞によるシグナル伝達の解析を進める。 平行してFGFRL1のシグナル伝達に関して新たに見いだしたターゲットに対する抑制効果を継続して解析し、ネットワーク解析により抗体治療の判定マーカーの検出に取りかかる。 現在まだ成功していない血中FGFRL1断片検出、ファージディスプレーによる抗FGFRL1抗体作成に対して、それぞれ改良を重ね検討する。 また食道癌症例からの検体採取を継続し、精度のある食道癌特異的抗体のライブラリー作成を目指す。
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Research Products
(6 results)