2015 Fiscal Year Annual Research Report
インフェクションコントロール能を有した短期置換型骨補填剤の創成と実用化への展開
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26293339
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中 雅人 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20379754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 敏文 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40294459)
沖原 巧 岡山大学, 自然科学研究科, 講師 (70243491)
渡邉 典行 岡山大学, 大学病院, 医員 (80708107)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生体材料 / リン酸化プルラン / ドラッグデリバリー |
Outline of Annual Research Achievements |
当大学では新しい高機能材料である多糖複合体リン酸化プルランを創製して組織再生能に優れ,骨に対し強固に接着する全く新しい骨補填剤の実用化に取り組んでいる。本研究では,開発中のリン酸化プルラン骨補填剤に薬剤徐放能を付与することにより,さらなる高機能化と整形外科領域における幅広い用途展開を図ることを目的としている。 平成27年度においては前年度に引き続き,抗菌薬含有骨補填剤による抗菌効果,感染防御能の検討を引き続き行い,in vivoとしては発光黄色ブドウ球菌による骨髄炎モデルマウスにおける抗菌薬含有骨補填剤の抗菌効果を,発光を感知するin vivo imaging systemで検討した。マウスの大腿骨内に黄色ブドウ球菌を注入し,骨髄炎マウスとした後2日目に新規骨補填剤と,従来の骨補填剤であるPMMAを用いた抗菌薬含有骨補填剤を,それぞれマウスの同患部に留置してその後の抗菌効果を比較検討した。補填剤留置後1日目と5日目においてin vivo imaging systemで認める発光量により,有意に良好な感染抑制効果を認めた。また、血清学的評価においては炎症性サイトカインであるIL-β1とIL-6を用いて評価した。骨補填剤留置前では血清学的に差を認めなかった骨髄炎マウスに新規骨補填剤とPMMA骨補填剤をそれぞれ留置し,留置後1週後に評価すると新規骨補填剤留置群ではPMMA骨補填剤留置群に対してIL-6が低い傾向を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
In vivoにおける抗菌薬含有新規骨補填剤による抗菌効果や感染防御能の検討については一部行うことができた。それにより,目標としていた既存の骨補填剤と比較した場合の新規骨補填剤の有効性についてもある程度認めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
In vivoの実験の実験においては,血清学的検討についても検討を重ねて行い,その他にX線学的検討や組織学的検討を追加して行う予定である。 成長因子含有骨補填剤による組織再生能の検討についても行う予定である。
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Causes of Carryover |
試薬の調整や動物実験が予定よりも順調であったため,支出が予定よりも抑えられた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度以降,実験の進捗により実験動物の購入および実験結果の分析費用が増加することが予想されるため,当該研究費を使用する予定である。
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Research Products
(2 results)