2015 Fiscal Year Annual Research Report
がんの発育と痛みにおける痛覚神経とがんのクロストークの解明
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26293344
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
川股 知之 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (80336388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 雅美 国立研究開発法人国立がん研究センター, その他部局等, 研究員 (80434182)
栗山 俊之 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10405467)
谷奥 匡 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (50554656)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 知覚神経 / がん細胞 / 痛み |
Outline of Annual Research Achievements |
痛覚神経はがん病変の発育・進展を“痛み”として警告信号を発するだけではなく、がんの発育・進展を促進する可能性が示唆されている。すなわち、末梢神経系とがん組織の間にクロストークがあり,末梢神経を遮断する鎮痛法や麻酔法ががんの痛みを和らげるだけでなく、がんの発育・進展を制御する可能性が示唆される。本研究では、痛覚神経系とがん組織の間のクロストークの詳細を明らかにするとともに、鎮痛・麻酔ががんの発育・進展に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。痛み神経はCGRPやサブスタンスPを含有するペプチド含有神経とペプチド非含有神経に分類される。平成26年度はペプチド含有神経に注目して研究行い、平成27年度はペプチド非含有神経に注目して研究を行った。ペプチド非含有神経はIB4結合によって特徴づけられる。そこで、IB4結合神経はマウスの坐骨神経にIB4-サポリンを注入することにより除去した。IB4結合神経除去マウスでは皮膚に移植されたLewis肺がん細胞の増殖は抑制されず、対照群と同様であった。前年度の研究成果と合わせて、皮膚に移植されたLewis肺がん細胞の増殖にはペプチド含有神経(CGRP陽性神経)が関与していることが明らかとなった。次に、腫瘍細胞増殖において、ペプチド含有神経と血管新生の関係について組織学的に検討した。その結果、CGRP遺伝子欠損マウスでは血管新生が抑制されることが明らかになり、ペプチド含有神経(CGRP陽性神経)は血管新生を促進し腫瘍増殖に寄与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の研究予定の80%程度は達成できており概ね順調に進行していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね順調に進行しているが、必要に応じて大学院生の協力を得て研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
463円が残金となった。一部の物品が予定よりも安価に購入できたため、残金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
旅費に充てる
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Research Products
(10 results)