2014 Fiscal Year Annual Research Report
マウスおよびヒトiPS細胞を用いた頭頸部組織の再生技術開発
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26293371
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
大森 孝一 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (10233272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 光雅 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30554422)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 分化誘導 / 気道上皮細胞 / 軟骨細胞 / 人工材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、頭頸部臓器切除後の欠損組織に伴う機能障害の回避とQuality of Lifeの向上をはかり、国民の健康増進に寄与することである。このため、マウスおよびヒトiPS細胞から頭頸部臓器を構成する気管上皮や軟骨などに分化誘導した細胞を足場材料とともに各々の組織欠損モデル動物に移植し、組織学評価および機能性評価により有効性と機能性を検証することで、頭頸部領域における再生医療基盤技術の開発を行っていく。平成26年度では、(1)マウスおよびヒトiPS細胞の培養と未分化性の検証、(2)マウスおよびヒトiPS細胞への蛍光マーカーの導入、(3)気道上皮細胞および軟骨細胞への分化誘導、(4)実験動物を用いた頭頸部臓器の損傷モデルの作製、を実施した。 (1) iPS細胞の培養と未分化性の検証 マウス胎児線維芽細胞上にiPS細胞を播種することで長期的に維持培養でき、各種未分化マーカーの発現をRT-PCRおよび免疫染色で確認した。 (2) iPS細胞への蛍光マーカーの導入 蛍光マーカーであるtdTomatoをマウスiPS細胞に導入した。足場材料と共に気管欠損部分に移植した結果、分化細胞の生着をリアルタイムに評価できることに成功した(Yoshie S et al. Acta Oto-laryngologica. 2015)。 (3) ①気道上皮細胞および②軟骨細胞への分化誘導 ①成長因子、サイトカイン、ALI (Air-Liquid Interface) 培養を組み合わせることで、気道上皮マーカーの発現や気道上皮特有の線毛構造や線毛運動を確認することができた。②軟骨細胞への分化 成長因子、サイトカイン、低分子化合物を組み合わせることで、軟骨細胞の中間体である沿軸中胚葉マーカーの発現が著しく上昇した。 (4)頭頸部臓器の損傷モデルの作製 ウサギ、ラットを用いて気管の損傷モデルを作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以前報告(Otsuki K et al. Laryngoscpoe. 2014)した分化誘導方法をベースにしながら進めているため、分化誘導方法の開発に費やす時間とコストを大幅に削減できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の結果に基づきながら、蛍光マーカーでラベルされたiPS細胞から気道上皮細胞や軟骨細胞への高効率な分化誘導を行い、足場材料と共に気管損傷モデル動物に移植する。また、ヒトiPS細胞にも蛍光マーカー(GFPやtdTomatoなど)を導入し、移植後の生着評価に用いる。気道上皮細胞や軟骨細胞だけでなく、喉頭筋など他の頭頸部臓器を構成している細胞にも分化誘導させていく。
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Causes of Carryover |
研究が概ね順調に遂行したため、研究費を節約することがきた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画上、翌年度は今年度よりも多くの消耗品が必要となるため物品費にあてる。
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Research Products
(7 results)