2015 Fiscal Year Annual Research Report
マウスおよびヒトiPS細胞を用いた頭頸部組織の再生技術開発
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26293371
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大森 孝一 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10233272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 光雅 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30554422)
吉江 進 福島県立医科大学, 医学部, 研究員 (70705459)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 分化誘導 / 気道上皮細胞 / 軟骨細胞 / 人工材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、iPS細胞を利用した頭頸部領域における再生医療基盤技術の開発目指している。平成27年度は、分化誘導させたマウスiPS細胞を人工気管と組み合わせ、気管欠損部に移植し、気道上皮を含めた気管の再生実験を行った。 1. iPS細胞から気道上皮細胞への分化誘導:マウスiPS細胞から胚様体を形成し、アクチビンとbFGFを添加した無血清培地で培養後、air-liquid interface (ALI)法にて培養を行い、協調運動する線毛を有した気道上皮細胞への分化に成功した。(Yoshie S, et al. Cell Tissue Res. 2015) 2. 移植足場材料の検討:分化細胞を組み込む最適なスキャフォールドを検討するため、ポリプロピレンメッシュと様々な濃度のアテロコラーゲンを用いて人工気管を作製した。0.5もしくは1%の濃度で作製した人工気管は多孔質であり、良好な気道上皮再生が得られた。(Nakaegawa Y, et al. Ann Otol Rhinol Laryngol. 2016) 3. 移植方法の検討:人工気管にマウスiPS細胞から分化させた気道上皮細胞を付加させ、ヌードラットへの移植を行った。移植細胞の生存、更に線毛やタイトジャンクションも確認することができ、機能性を有した気道上皮細胞の再生が得られた。(Ikeda M, et al. Acta Otolaryngol. 2016)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までにiPS細胞から気道上皮細胞への分化誘導法がある程度確立できており、時間とコストを削減できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の結果に基づきながら、更に再生気管の評価を続けるとともに、喉頭やその他頭頸部臓器の損傷、欠損モデルにも移植実験を行い、その再生効果を確認する。 特に再生上皮組織に関しては、線毛運動、水輸送、イオン輸送、バリア機能などについても評価する。また長期観察モデルにより再生組織の経時的な変化についても検討する。
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Causes of Carryover |
概ね研究が順調に遂行されたため、研究費を節約することができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度はより多くの消耗品が必要となる予定であり、物品費にあてる。
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Research Products
(11 results)