2015 Fiscal Year Annual Research Report
緑内障早期個別化医療の実現を見据えた進行速度を予測する血液RNAマーカー探索
Project/Area Number |
26293372
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中澤 徹 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30361075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 和一 東北大学, 大学病院, 講師 (10433244)
河合 純 国立研究開発法人理化学研究所, 産学連携本部 予防医療・診断技術開発プログラム, 副プログラムディレクター (30391923)
西口 康二 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30447825)
國方 彦志 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40361092)
田中 佑治 国立研究開発法人理化学研究所, 情報基盤センター(ACCC), 研究員 (40625513)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 緑内障 / RNA / バイオマーカー / CAGE解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は血液サンプルよりRNAを抽出し、緑内障の発症、進行に関連するバイオマーカーを見つけ出すことにある。 本年度においては、遺伝子背景としてどのような緑内障感受性遺伝子の解析を行うか検討した。まず、近年発表された緑内障関連遺伝子ABCA1、アジア人の視野進行に関連すると報告されたCDC7/TGFBR3等を含めた7つの緑内障感受性遺伝子のSNPを選択した。次に緑内障患者の検体サンプルを用いて、これらの緑内障感受性遺伝子タイピングを行った。 当初、対象となる白内障などの疾患に加えて、病状が進行する緑内障患者、および進行のみられない緑内障患者の血液サンプルも追加して、CAGE解析する計画であった。しかし、緑内障感受性遺伝子との関連を統計的に検討することを勘案した結果、緑内障の対照となる非緑内障患者の検体を多く解析した方が妥当と判断し、これらの患者から検体収集をすすめた。対照者として、東北大学に通院する白内障、黄斑円孔、黄斑前膜など遺伝的要因がないと考えられる疾患のみを有し、緑内障を有さない者をデータベースより抽出した。このデータベースより選び出した対象は、東北大学眼科外来に来院した際、もしくは手術のため入院した際に同意書取得を行い、血液サンプルを採取した。血液採取は平成28年の2月に終了した。2月末よりRNAの抽出作業を行い、3月にはCAGE解析委託先で共同研究機関である理化学研究所に検体送付を終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではOPTNやMYOCなど緑内障発症に強い関連をもつ遺伝子を解析する予定であった。しかし、それらの遺伝子の病因変異は頻度が小さく、有益な情報を得るのが困難であった。近年、緑内障のGWAS研究で、ABCA1などの遺伝子近傍に緑内障に関連する有力なSNPが複数報告された。そこで、かわりにGWASで発掘された緑内障関連SNPを解析することにした。そのため研究計画に3ヶ月間の遅れが生じた(平成27年度申告)。本年に関しては3月末までの検体収集、委託先への提出が終了しており、おおむね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年4月1日現在、共同研究を行っている理化学研究所に検体サンプルを送付し、解析を行っている段階にある。今後の見通しとしては5月にはCAGE解析を終了する予定である。その後、臨床データと関連づけて統計的考察を行い、バイオマーカーとしての活用法の可能性を探索する。この臨床データには患者の緑内障感受性遺伝子との関連の解析も含める。8月までに解析結果のバリデーションを行う研究を開始し、年内に研究成果の論文化、文章化を行い国内、国外に向け、研究成果を発信することを目標とする。
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Causes of Carryover |
平成28年度計画には、理化学研究所によるCAGE解析結果と臨床データを統合した解析、追加解析(バリデーション)、論文などの文章化を行い発表する予定がある。これらの計画には物品費、旅費、その他の資金の支出を要することが見込まれる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度、理化学研究所との会議に参加など移動に関わる旅費として使用する。また解析結果を受けて、研究成果の妥当性を検証するために緑内障患者、非緑内障患者から血液を採取し、RT-PCTを行う。これには物品費として研究費を計上する。また本研究で得られた成果は国内、国外に向けて、文章化することにより発信する予定である。そのために、英文校正費用、出版費用、学会参加のための旅費等を使用する。
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Research Products
(3 results)