2017 Fiscal Year Annual Research Report
虚血再灌流病態を伴う外傷性脳内血腫に対する術前急速導入脳低温療法の有効性の検討
Project/Area Number |
26293386
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
横堀 将司 日本医科大学, 医学部, 准教授 (70449271)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増野 智彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (00318528)
末廣 栄一 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (10363110)
河北 賢哉 香川大学, 医学部附属病院, 准教授 (10505803)
小田 泰崇 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40397998)
田中 佐智子 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (50453824)
黒田 泰弘 香川大学, 医学部, 教授 (80234615)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 頭部外傷 / 脳低温療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、急速な冷却導入が可能である血管内冷却法(Intravascular Cooling :IVC法)を用い、脳虚血再灌流損傷を主病態とする外傷性脳内血腫の減圧開頭血腫除去術施行患者に対し、日米6施設で共同作成したプロトコールのもと、手術前より急速に脳低温療法を導入する。この急速導入脳低温療法が患者転帰改善効果、神経保護効果を示すかを明確にする多施設無作為臨床研究である。現在も効果的な治療法に乏しい神経外傷分野において、有効な治療戦略の確立が期待される。本研究結果をもとに、数年後改定される米国、および我が国の神経外傷治療ガイドラインへの提言を最終目標とする。このため外傷性脳内血腫患者を急速導入脳低温療法施行群と積極的平温療法施行群の二群にランダムに分類した多施設ランダム化試験(RCT)を行う。受傷後6ヵ月後のGlasgow Outcome Scale-Extended (GOSE)をもって転帰評価を行い、急速導入脳低温療法群と積極的平温療法群間の転帰良好率と死亡率を二群間で比較することで、脳低温療法の有効性を検討する。また補完的アウトカムの評価として受傷4週後のDisability rating score (DRS)を比較する。また、米国で同時並行にて行われるRCTから得られる結果を我が国と比較し、特有な患者年齢分布を持つ我が国の頭部外傷においても、この急速導入脳低温療法が有効か否かを明確にすることを本研究期間内の目標とする。 本研究開始後4年が経過したが、研究開始後、日米を合わせて31例の患者が登録された。 目標の120例に向けさらに患者登録を続けていく。また2017年11月に30例登録が終了した時点での安全性有効性の検討では、早期導入脳低温療法群の安全性、有効性における対照群との非劣性が確認されたことは特筆すべき成果である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたより患者登録のスピードは遅れている。一つには頭部外傷患者の年齢が上昇しており、本研究のターゲットになりうる65歳以下の患者が来院しないことに起因する。もう一つは急性硬膜下血腫自体にターゲットを絞っており、頭部外傷患者全体の中でもさらに適応は絞られている。 国際的にはマイアミ大学やテキサス大学との共同で症例数は微増しているものの、日本からの登録をさらに増やす必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、登録患者の条件を変更することを各参加施設と検討する。特に我が国の頭部外傷患者人口に即した年齢(75歳以上)にクライテリアをあげるか、更なる検討を要する。
|
Causes of Carryover |
患者登録の遅延から、採血チューブの購入を多く購入する必要がなかったため、次年度使用額が発生した。患者登録の進捗に応じ、試薬などを購入していく予定である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)