2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規致死性因子ヒストンによるインフラマソームの活性化機構の解析
Project/Area Number |
26293387
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
川原 幸一 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10381170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 征郎 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20082282)
伊藤 隆史 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (20381171)
三浦 直樹 鹿児島大学, 獣医学部, 准教授 (80508036)
中島 利博 東京医科大学, 医学部, 教授 (90260752)
森元 陽子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (30437967)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 敗血症 / ヒストン / インフラマソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、全世界で3秒に1人が死亡する敗血症患者を助けることである。最近、新規敗血症の致死因子としてヒストンが注目されている。ヒストンは、本来、生命の維持に必須であるが、細胞外では、個体死、血小板凝集惹起などを引き起こし炎症サイトカインとして振舞っている。よって、ヒストンの細胞外での制御は必須である。さらに、ヒストンがインフラマソームの活性化(IL-1βの産生)を研究代表者らは新たに見出した。しかしながら、ヒストンの細胞外での制御機構、インフラマソームの活性化などは未だ解決されていない。したがって、本研究は、致死因子ヒストンのインフラマソーム活性化の解明とヒストンの阻害因子の探索を行うことで敗血症の新規治療法の足がかりにある。 本年度は、1.ヒストンがインフラマソームの活性化の誘導を再確認、2.ヒストン、H2A、H2B、H3、H4刺激によるIL‐1βの産生を試みた。しかしながら、単独刺激でのIL‐1βの産生は見られなかった。以上の結果より非常に興味深い結果が得られた。おそらく、単独刺激ではIL‐1βの産生を誘導せず、複数の分子による相互作用によると示唆された。 来年度以降は、さらにどの分子が必須であるかを検討することも必要と考えらる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、ヒストン群、すなわち、H2A、H2B、H3、H4の混合物においてはIL‐1βの産生を確認できた。しかしながら、それぞれの単独刺激では未だ結果が得られていない。したがって、当初の予定とはやや遅れていると示唆される。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、ヒストンのシグナル伝達経路の解明、マウス(インフラマソームのアダプタータンパク質のASC欠損など)を用いてin vivoでの証明を行う予定である。
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Causes of Carryover |
来年度において、細胞内のアダプタータンパク質のASC、シグナル伝達経路のERK1/2、JNK、p38MAPKなどの挙動を蛍光免疫染色法を用いて解析する予定である。したがって、それらの試薬・機器、さらには細胞培養、フローサイトメトリー法、タンパク質検出などを行うための機器の購入を予定している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度と同様に細胞培養、蛍光免疫染色法、フローサイトメトリー法の試薬、タンパク質検出(ウェスタンブロット法)などの方法を行うための物品購入を行う予定。さらに、研究成果の発表、研究打ち合わせのために旅費に使用予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] The E3 ligase synoviolin controls body weight and mitochondrial biogenesis through negative regulation of PGC-1β.2015
Author(s)
Fujita H, Yagishita N, Aratani S, Saito-Fujita T, Morota S, Yamano Y, Hansson MJ, Inazu M, Kokuba H, Sudo K, Sato E, Kawahara K, Nakajima F, Hasegawa D, Higuchi I, Sato T, Araya N, Usui C, Nishioka K, Nakatani Y, Maruyama I, Usui M, Hara N, Uchino H, Elmer E, Nishioka K, Nakajima T.
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Journal Title
EMBO J.
Volume: 34
Pages: 1042-55
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Cleavage of host cytokeratin-6 by lysine-specific gingipain induces gingival inflammation in periodontitis patients.2015
Author(s)
Tancharoen S, Matsuyama T, Kawahara K, Tanaka K, Lee LJ, Machigashira M, Noguchi K, Ito T, Imamura T, Potempa J, Kikuchi K, Maruyama I.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 10
Pages: e0117775
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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