2014 Fiscal Year Annual Research Report
c-Src-p130Cas axis下流に存在する骨吸収調節因子の同定と機能解析
Project/Area Number |
26293396
|
Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
自見 英治郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40276598)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 悟郎 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00722828)
福島 秀文 福岡歯科大学, 歯学部, 准教授 (70412624)
片桐 岳信 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80245802)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 骨吸収 / p130Cas / c-Src |
Outline of Annual Research Achievements |
破骨細胞による骨吸収は、破骨細胞への「分化」と、分化した破骨細胞が骨を吸収する「活性化」の2つのプロセスに大別できる。c-src欠損マウスは破骨細胞が存在するものの骨吸収不全似よる大理石骨病を呈することから、c-Srcは「活性化」に関わる重要な因子であることがわかった。我々は、c-Srcの下流で機能するアダプター分子としてp130Cas(Crk-associated substrate)を同定し、破骨細胞特異的p130Cas欠損(OC-p130CasKO)マウスがc-src欠損マウス同様に骨吸収不全による大理石骨病を呈することを明らかにした。そこで本研究では、c-Src-p130Cas axisに関わる破骨細胞の「活性化」分子を同定することを目指す。 p130Casは他分子と会合するアダプタータンパク質として機能する。そこでOC-p130CasKOマウス由来の破骨細胞にFLAGタグを付加した野生型p130Casまたはp130Casが他分子と会合するのに重要なSH3ドメインを欠失した変異体 (p130Cas△SH2)を遺伝子導入し、抗FLAG抗体で免疫沈降法をおこない、野生型p130Casと強く会合する分子を探索した。これまでにp130Casと会合することが報告されているc-Src、Crk、Crb2、やDock5の他に低分子Gタンパク質A、Trip6、オートファジーに関わるB、およびスキャフォールドタンパク質Cの4つの分子を同定した。この中でTrip6はすでに破骨細胞の骨吸収に関与することが報告されており、現在A~C3つのタンパク質の破骨細胞における発現やshRNAによる発現抑制をおこない、骨吸収に対する効果を検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
野生型およびOC-p130CasKOマウス由来骨髄細胞から破骨細胞を分化誘導し、全RNAを調製し遺伝子発現プロファイルを網羅的に解析したが、破骨細胞以外の細胞のコンタミネーションによるノイズが大きく、p130Casの下流分子として骨吸収に関与する分子の選別が上手くいかなかった。また本研究に専念できるスタッフおよび大学院生の確保が思うように行かず、予定していた研究計画が全部遂行できなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度より、これまで破骨細胞研究、特にc-Srcの下流分子の探索に関わってきた研究者を助教として採用することになった。また、大学院生1名を本プロジェクトに専念させることとした。さらにOC-p130CasKOマウスの骨における表現系はc-src欠損マウスと比較してマイルドであること、また現在解析中の分子がc-src欠損マウス由来破骨細胞ではc-Src/p130Cas複合体に含まれないことを確認するために、c-src欠損マウスを入手した。OC-p130CasKOとc-src欠損マウス共通に差の見られるc-Src/p130Cas複合体分子や発現の変化する遺伝子をより選別し、同定しやすくなると考えられる。
|
Causes of Carryover |
c-src欠損マウスを米国Jaxより購入したが、成体での販売がなかったため、受精卵を輸入し(日本クレアが代行)、熊本大学熊本大学 生命資源研究・支援センター動物資源開発研究施設で復元を委託したが、平成26年度内に間に合わなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
c-src欠損マウス受精卵輸入代行料とマウス復元料の合計が902,162円で、マウスを九州歯科大学納入時に支払い予定である。
|
Research Products
(1 results)