2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26293403
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐野 英彦 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (90205998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 康裕 北海道大学, 大学病院, 助教 (50431317)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノテクノロジー / 接着 / 生体適合性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノテクノロジー(ColloidalPlatinum Nanoparticles:CPN)を利用することにより、4META/MMA-TBBレジンの接着強さが格段に向上することが、判明しているが、他の接着システムではCPNを用いた際にどのような結果が得られるかを検討した。 先ず、一般に、広く使われ始めているセルフエッチング系の接着材には効果がみられなかった。エッチアンドリンスを採用しているデュアルキュアー系の接着材を用いた場合、象牙質を湿潤させた場合に効果がみられ、接着耐久性を向上させることも可能であることが判明した。また、ユニバーサルタイプの1ステップシステムにおいても、エッチアンドリンスを用いることで、効果が現れることが認められた。 特筆するべき点として、一般にう蝕に影響された象牙質はセルフ系接着材となじみが良くないが、ナノテクノロジー(CPN)を応用することでこの弱点を克服できる可能性が見えてきている。 生体適合性に関しては、ラットを用いて検討を加えた。全身麻酔下で、ラットの頭蓋骨にラウンドバーを用いて穴をあけ、コントロールとしてスポンゼルのみ、実験群としてCPNをしみ込ませたスポンゼルを穴に挿入し、縫合した。2週後にと殺し、骨を脱灰後、通報にてヘマトキシリンエオジン染色を施し、組織増を観察した。その結果、組織の治癒像は、実験群、コントロール群とも差はなく、この観察の範囲ではあるが、CPNは生体適合性が良く、組織の治癒に何ら影響されないことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CPNを用いた場合の抗菌タンパクの発現と、そのメカニズムに関わる検討をストラスブール大学在職で海外連携研究者のDenis Selvonicと共同で行う予定であるが、彼の家庭の事情や大学を移るというような状況が発生し、実験準備の段階で留まっている。 一方、物性関係の検討は順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
CPNを用いた場合の抗菌タンパクの発現と、そのメカニズムに関わる検討に関しては、海外連携研究者のDenis Selvonicを10月より本教室で常勤の准教授として雇用する予定である。このことによって、研究の進捗が推進されると考えている。また、生体材料学教室に新任の教授が赴任したため、物性面に関してはこの教室と連携して行えることになった。また、共同研究者の松田が講師として北海道医療大学に転出したが引き続き共同研究を続けていく予定である。 新たな、研究チームが発足したことで、本研究の大きな発展が期待できる。
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Causes of Carryover |
次年度から、外国人教員を准教授(前ストラスブール大学准教授)として採用し、バイオロジーの実験をフランスではなく当教室で行うため、試薬等を購入する経費が過大になるため資金を留保した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の理由にあるように、試薬等の購入に使用する。
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