2016 Fiscal Year Annual Research Report
骨質(コラーゲン)が骨代謝に及ぼす影響とそのメカニズムを探る
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26293408
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
魚島 勝美 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50213400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 裕仁 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30460140)
加来 賢 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30547542)
長澤 麻沙子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40612239)
秋葉 陽介 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70547512)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 骨質 / コラーゲン / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / クロスリンク |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度にその有用性が確認された0.1%および0.2%BAPNを用いたラットによる実験を行った。BAPN投与ラットおよびコントロールラット左右頭蓋骨にトレフィンバーを用いて欠損を形成すると共に、同部位の骨片を採取した。欠損部に他の個体から採取した骨片を移植するモデルを用いて、コラーゲンクロスリンクが移植骨周辺の骨形成に与える影響を検索したところ、コラーゲンクロスリンクの量が少ないラットでは、移植骨周辺の骨形成がコントロールに比較して早いことが見いだされた。この結果は平成28年9月に日本口腔インプラント学会学術大会にて発表した。現在はこの結果を学術雑誌に投稿すべく、実験個体数を増やしつつある状況である。 また、昨年度はBAPNによってコラーゲンクロスリンク量を減らしたラットの頚骨にインプラントを埋入するモデルを確立し、インプラント周囲の骨形成に関する検索を行った。ラット頚骨に埋入したインプラント周囲でも、骨欠損・移植モデルと同様に、コラーゲンクロスリンク量が減少したラットでは、比較的早期から未成熟な骨が大量に形成され、通常のラットに比較して明らかな組織像の違いを呈していた。この結果は平成29年度の国内学術大会および国際学術大会で発表予定であり、既に抄録は受理されている。今後はこのインプラント埋入モデルも用いて、コラーゲンクロスリンクが骨代謝に与える影響を総合的に観察していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitroで得られた結果を動物実験にて検証したところ、骨のコラーゲンクロスリンクの減少が、周囲骨形成に影響を与えることが組織学的に見出された。当初の仮説検証に向けて順調に研究が進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き動物実験を行い、骨質が骨組織代謝に与える影響のメカニズムを細胞レベル、蛋白レベルで検証する予定である。
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Causes of Carryover |
2016年度の収支としては未使用額が大きいが、年度末(3月)に使用した金額はここに反映されておらず、これを反映するとほぼ予定通りの執行となっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の動物実験やこれに関わる消耗品およびin vitro研究の経費として使用する予定である。
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