2015 Fiscal Year Annual Research Report
高次再生医療・骨減少症治療への応用を目指した神経‐血管‐骨ネットワークの分子基盤
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26293432
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 毅 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (60406494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 通彦 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10453630)
竹田 秀 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30376727)
水野 洋介 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (30406532)
古株 彰一郎 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (30448899)
松本 征仁 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90321819)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | netrin-4 / 骨芽細胞 / 遊走能 / 分化能 / semaphorin 3A / 骨細胞 / CDK6 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、血管内皮細胞由来のnetrin-4が破骨細胞分化を抑制することを示した。本年度はnetrin-4の骨芽細胞に対する作用を解析した。netrin-4は骨芽細胞分化に伴い、発現が上昇していた。3週齢メスマウスの大腿骨において、1次海綿骨領域の骨芽細胞よりも2次海綿骨・皮質骨表面の骨芽細胞の方がnetrin-4の発現が強かった。3週齢と8週齢のメスマウスの大腿骨を比較すると、3週齢の方がnetrin-4の発現が高かった。また、netrin-4は骨芽細胞の遊走を促進させたが、増殖には影響を与えなかった。一方で、骨芽細胞に対してrecombinant netrin-4を作用させたところ7日目にALP活性が上昇していた。また、骨芽細胞にnetrin-4のプラスミドを導入し過剰発現させたところ、ALP, オステオカルシン遺伝子の発現が上昇した。以上の結果から、netrin-4は血管内細胞のみならず、骨芽細胞からも産生され、骨芽細胞を遊走し、分化を促進させることが示唆された。 また、以前われわれは神経細胞由来のsemaphorin 3Aが骨芽細胞分化に必須であることを示したが、今回の研究では骨細胞に対する作用を明らかにした。semaphorin 3Aを骨細胞に作用させたところ、細胞突起の伸長が観察された。さらに細胞突起伸長で上昇するE11タンパク質の発現上昇も認められた。すなわち、semaphorin 3Aは骨細胞の成熟を促進させることがわかった。興味深いことに、semaphorin 3Aを骨細胞に作用させることで細胞周期促進に働くタンパク質であるcyclin dependent kinase 6 (CDK6)の発現が低下していた。CDK6はbone morphogenetic proteinによる骨芽細胞分化誘導において発現が低下することが知られており、骨細胞の成熟によりCDK6発現が低下することは理にかなっていると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レトロウイルスによる骨芽細胞への蛍光(緑色)遺伝子と神経細胞への蛍光(赤色)遺伝子導入がうまくいっていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は神経系と骨の相互作用の解析をすすめる。まずは遅れているレトロウイルスによる骨芽細胞への蛍光(緑色)遺伝子と神経細胞への蛍光(赤色)遺伝子導入を行う。その後、共存培養系を用いて各細胞に発現する遺伝子をDNA microarrayにより網羅的に解析する。最も発現が上昇している遺伝子のノックアウト細胞またはマウスを作製して表現型を解析する。
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Causes of Carryover |
生化学実験を中心に行っており、消耗品の使用が少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
DNA microarrayの消耗品やノックアウト細胞またはマウスの作製費用に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)