2014 Fiscal Year Annual Research Report
看護工学手法によるアドバンストスキンケアの開発―減量後の皮膚特性追跡
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26293444
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
須釜 淳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (00203307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真田 弘美 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50143920)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肥満 / 皮膚 / 看護工学 / 酸化ストレス / 超音波診断装置 / 減量 / 真皮 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は最近、動物及び人において肥満者の皮膚内部に酸化ストレスが生じ、それが真皮組織の構造を疎にすることを分子生物学的手法ならびに超音波画像診断装置によって明らかにした。本研究は、減量により経時的に皮膚内部の酸化ストレスが減少するのか、また肥満によって生じた真皮構造変化が健常な皮膚構造に戻るのかを明らかにし、肥満者に特化したスキンケア技術開発へと展開するための基盤を確立することが目的である。具体的な項目は、肥満者を対象に運動と栄養指導を毎月2回実施し、①皮膚酸化ストレスの追跡、②真皮および皮下組織構造の追跡、③皮膚弾性の追跡、以上3つである。 平成26年度は20歳から64歳でBMI25以上のボランティア男性の同意を得て、1年間の減量プログラムを実施し、3ヶ月毎に追跡調査した。最終的に1年後まで追跡できた参加者は5名であった。皮膚の構造変化は20MHzの超音波診断装置を用い真皮上層と下層について解析した。5名の1年後のBMIは1.7kg/m2(中央値)(range 1.1-5.9 kg/m2)減少した。真皮上層の輝度変化において、2名の腹部、3名の大腿後面において増加を認めた。また、真皮下層の輝度変化において、3名の腹部、5名の大腿後面において増加を認めた。皮膚酸化ストレス変化は個々で異なり、一定の結果を示さなかった。 以上から、減量により真皮皮膚構造に何らかの変化が起こることが示唆された。また、その一方で構造変化をもたらすと考えた酸化ストレスの変化については明らかではなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書において平成26年度は30名の解析を予定していた。リクルート時点では30名を超えていたが、脱落が多く1年後には5名と参加者が極端に減少した。このため解析に必要なデータ確保ができていない。平成27年度は金沢市内以外にもリクルート対象地域を広げて、必要な症例数を確保する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
前述したとおり必要な症例数を確保するため金沢大学が包括的協定を結ぶ市町村、企業等に調査依頼を行う。さらに脱落を防ぐためにITを活用した動機づけ、保健師との連携を検討する。症例数によっては、研究デザインを肥満群の群内比較(減量群、非減量群)に変更することを考慮する。
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