2014 Fiscal Year Annual Research Report
認知症患者の尊厳への思いを測定する尺度と評価法の開発に関する研究
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26293445
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
太田 勝正 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60194156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 恵理子 独立行政法人国立国際医療研究センター, 国立看護大学校, 講師 (10423849)
新實 夕香理 藤田保健衛生大学, 医療衛生学部, 講師 (20319156)
池上 千賀子(曽根千賀子) 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (40336623)
山田 聡子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (80285238)
前田 樹海 東京有明医療大学, 看護学部, 教授 (80291574)
松田 正己 東京家政学院大学, 現代生活学部, 教授 (90295551)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 看護学 / 解析・評価 / 尺度開発 / 尊厳 / 認知症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,自らの思いを的確に表現出来ない認知症患者が,自身に対する看護・ケアにおける尊厳への配慮について,どの程度満足し,何を望んでいるのかを推計するための信頼性と妥当性を備えた測定方法を開発,提案することである。 H26年度は、その第一段階として,先行研究で開発した患者尊厳尺度国際版iPDS(英語版)の日本語版作成のための調査を行った。対象は全国の500床以上の病院11病院および300-499床の病院3施設とし、入院患者307名から回答を得た。患者の尊厳への期待について因子分析の結果、F1:人間性の尊重、F2:プライバシーの尊重、F3:礼節と配慮、F4:正義と公平の尊重、F5自律性の尊重の5因子が抽出された(信頼性係数0.92)。尊厳に配慮したケアへの満足度については、F1:プライバシーの尊重、F2:人間性の尊重、F3:自律性と思いの尊重の3因子が抽出された(信頼性係数0.94)。これらは、先行研究と基本的な因子については概ね一致し、また、一部の因子について、自尊感情尺度と弱いながら有意な相関が確認され、iPDS日本語版としての妥当性が確認された。 この日本語版を認知症患者に適用するための患者家族と看護師を対象とするインタビュー調査を進めているとことである。研究成果は、国際看護倫理学会等で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究は完了、もしくは、現在進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
認知症患者に適用するための患者家族と看護師を対象とするインタビュー調査をさらに進め、iPDS日本語版の改定および影響要因の特定を行って、患者(認知症を診断されていない)、患者家族、担当看護師をペアにしたパイロット調査に進む予定である。
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Causes of Carryover |
分担者による研究推進のためにノートPCを2台と関連ソフトを購入する予定であったが、当面は既存のPCと統計ソフトで研究を推進するように節約を心がけたため、物品費などから次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ノートPCについては、最小台数の購入に押さえて、不足が懸念される調査研究のための国内旅費、成果発表のための海外旅費などに予算を振り向けたいと考えている。
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