2017 Fiscal Year Annual Research Report
乳がん体験者の生活の再構築を促進する長期リハビリケアプログラムの構築に関する研究
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26293460
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 冨美子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (40297388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 孝宣 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00292318)
佐藤 菜保子 東北大学, 医学系研究科, 講師 (40457750)
有永 洋子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (90620667)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 乳がん / がん看護学 / 術後上肢機能障害 / 症状マネジメント / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
乳がん手術と腋窩リンパ節郭清した患者を対象に「乳がん体験者の術後上肢機能障害予防改善に向けた介入プログラム」の術後5年までの効果を多角的に解析した。その結果、術後5年の上肢機能障害罹患率は周径上腕10.3%、前腕6.9%、肩関節可動域屈曲13.8%、外転22.4%、水平伸展6.9%、握力5.2%、乳がん体験者の術後上肢機能障害に対する認知尺度(SPOFIA)の腫脹24.1%、痛み8.6~13.8%、肩関節可動域縮小1.7~5.2%、知覚鈍麻12.1~27.6%、筋力低下20.7%、皮膚の引きつれ感20.7%、SPOFIA合計得点51.7%、DASH得点51.7%であった。介入群は腕のだるさ、痛み、知覚鈍麻、筋力低下、皮膚の引きつれ感の罹患率、SPOFIA得点増加者の割合が有意に低かった。その結果、患者が上肢機能や状態を日常的にモニタリングし、医療者と患者が話しあってリハビリや生活を調整し、セルフケア実践を支持する介入が術後上肢機能障害を予防改善する可能性を示唆した。また、乳がん体験者には腋窩リンパ節郭清や補助療法後の上肢/肩障害に限らず、乳房創の痛みや知覚鈍麻、補助療法の侵襲反応、加齢に伴う身体変調、がん診断と治療に伴う心理社会的変調、スピリチュアルペインに対応した包括的な長期リハビリケアの必要性が示唆された。 以上の調査結果をふまえて「乳がん体験者の生活の再構築を促進する長期リハビリケアプログラム」を作成した。リハビリケアは乳がん体験者が術後の生活を再構築し、早期に社会生活に適応できることをめざす。長期リハビリケアプログラムのフローは、対象者の治療環境によって、1.術前から術後3月までの初期フォローアップ、2.術後1年までの短期フォローアップ、3.術後5年までの長期フォローアップに分類し、プログラム内容を考案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「乳がん体験者の術後上肢機能障害予防改善に向けた介入プログラム」の効果を検証した結果をふまえ、研究課題Ⅱ「乳がん体験者の生活の再構築を促進する長期リハビリケアプログラムの構築に関する研究」を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
「乳がん体験者の生活の再構築を促進する長期リハビリケアプログラム」の内容妥当性を検討し、A大学病院で手術予定の乳がん体験者を対象に、リハビリケアプログラムの初期フォローの運用を開始する。
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Causes of Carryover |
平成29年度に予定していた論文の公表及び内容妥当性の調査を平成30年度に行うこととしたため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、平成30年度の助成金と合わせて内容妥当性の調査と論文の公表に係る調査費等として使用する計画である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)