2015 Fiscal Year Annual Research Report
被災地の小児がん患者と家族が経験する重層的なトランジションを支える看護のあり方
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26293469
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上別府 圭子 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70337856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩飽 仁 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50250808)
本多 奈美 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60282133)
笹原 洋二 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60372314)
小見山 智恵子 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60581634)
森下 美紀 東邦大学, 看護学部, 助教 (10758840)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | トランジション / 看護学 / 小児がん / 震災 / 家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)TTCCP研究:東京大学、東北大学、宮城県立こども病院の協働による小児がん経験者と家族への面接調査を実施。7月に宮城県立こども病院にて中間ミーティングを行い、各施設の責任者および面接担当者が現状報告、レクチャ-と面接の研修を実施した。9月には新たに参加する面接者の研修を実施した。 (2)東大病院との連携研究:東京大学医学部付属病院と共同し、小児慢性疾患患者の成人移行期支援外来設立に向けた小児科医師76名、全看護師1253名を対象に意識調査を実施。また、同施設の造血幹細胞移植後フォローアップ外来で使用する外来問診票の作成・評価・改訂、更に、入院患児に対する復学支援チェックリストの作成も行った。 (3)児童生徒への小児がん教育研究:小児がんの啓発を目的とした授業を小学校1校で行い、授業前後で、小児がんやその患者・経験者の知識の増加、および小児がん患者・経験者との交流に対する意欲の向上が見られ、授業は小児がん啓発における十分な効果があった。また保護者を対象に小児がん啓発に関する授業のニーズを収集した。 (4)QOLセンターでの研究:前年度から継続し、日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)との共同研究4件(ALL-B12、ALL-T11、ALL-Ph13、IntReALL)を実施。寛解導入療法時のQOLに対する自己評価と保護者評価の相違と、親の付き添いとの関連を明らかにした。新たに臨床試験下における子どもの心身の状態やQOLに関する研究を2件(ALB-NHL13、STKI14)開始した。 (5)その他:①造血幹細胞移植を受ける子どもの両親を対象に、移植前後における心理的苦痛に関する縦断的調査を、3施設にて実施中。②乳がんの手術を受けた女性の親に対する支援構築を目的とし、手術を受けた乳がん患者とその親を対象に心理的問題に関する横断調査を、平成27年度9月より4施設にて実施中。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(3)について研究者側の予期できなかった事態により、授業の実施時期が遅れたものの、その後は順調に進展している。今年度、新たに研究協力者を募って、継続し、分析、成果をまとめていく予定である。 (5)については、①②とも、着手は早かったものの、研究施設の倫理委員会の承認に時間が予想以上にかかったり、対象適格者のリクルートが予想以上に進まなかったりしたため、調査期間を延長して継続中である。 (1)(2)(4)は順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)TTCCP研究:平成27年度に引き続き、宮城県立こども病院および東北大学にて、現地の面接者と東京大学の面接者の協働による面接調査を継続する。小児がんと東日本大震災を経験されたご家族のさまざまな体験を明らかにしてその変化の軌跡を追い、新たな知見を見出し今後の支援に役立てるよう研究を進める。 (2)東大病院との連携研究:小児慢性疾患患者の成人移行期支援外来を設立し、支援プログラムの評価と医療者への研修プログラム開発・評価を行う。また、造血幹細胞移植後フォローアップ外来設立後1年間の受診経過・指導内容のまとめ・評価を行う。小児がん患児の復学支援チェックリストに関しては、医療者と利用者双方の視点から評価・改訂を行う。 (3)学校児童生徒への小児がん教育研究:平成28年度は、昨年度の授業の結果や保護者のニーズを踏まえた上で、授業を修正し、小・中・高等学校の各1校で小児がんの啓発に関する授業を引き続き行う。また、授業直後の評価だけでなく、小児がんの啓発における長期的な効果を確認するため、授業後1ヵ月時点での評価も行うことを予定している。 (4)QOLセンターでの研究:JPLSG(平成28年1月より日本小児がん研究グループ(JCCG))との共同研究6件を継続する。また新規に、小児高リスク成熟B細胞性腫瘍に対するリツキシマブ追加LMB化学療法に伴うQOL研究(B-NHL-14)を開始する。プロトコル治療下でのQOL評価の実施可能性に関する評価と介入を行なう。さらに、低悪性度神経膠腫などの固形腫瘍におけるQOL研究を開始する。 (5)その他:①調査施設を新たに1施設加えた上で、平成28年9月までリクルートを継続。今年度中に、解析・論文執筆を行う予定。②平成28年度6月までリクルートを継続。今年度中に解析・論文執筆を行い、病院の医師や看護師に向け、調査結果や臨床への示唆を報告していく予定。
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Causes of Carryover |
(3)について研究者側の予期できなかった事態により、啓発活動の実施回数が減った。また対象的確者が予想以上に少人数だったため、謝品の購入額が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
啓発活動と調査のための旅費、啓発ツールや報告書作成のための印刷・作成費、対象者への謝品購入として使用する計画である。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] Predictors of Posttraumatic Stress Symptoms Among Adolescent and Young Adult Survivors of Childhood Cancer Importance of Monitoring Survivors’ Experiences of Family Functioning.2015
Author(s)
Kamibeppu K, Murayama S, Ozono S, Sakamoto N, Iwai T, Asami K, Maeda N, Inada H, Kakee N, Okamura J, Horibe K, Ishida Y.
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Journal Title
Journal of family nursing
Volume: 21.4
Pages: 529-550
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Parent’s Perceived Provision of Information Regarding Diagnosis to Children with Brain Tumors.2015
Author(s)
Sato I, Higuchi A, Yanagisawa T, Mukasa A, Ida K, Sawamura Y, Sugiyama K, Saito N, Kumabe T, Terasaki M, Nishikawa R, Ishida Y, Kamibeppu K.
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Journal Title
Open Journal of Nursing
Volume: 5.5
Pages: 451-464
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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