2016 Fiscal Year Annual Research Report
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26293470
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
中込 さと子 山梨大学, 総合研究部, 教授 (10254484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野間口 千香穂 宮崎大学, 医学部, 教授 (40237871)
小笹 由香 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 看護師 (40310403)
柊中 智恵子 熊本大学, 生命科学研究部, 准教授 (60274726)
武田 祐子 慶應義塾大学, 看護医療学部, 教授 (80164903)
佐々木 規子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90315268)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 遺伝看護ケア / インストラクショナルデザイン / 周産期看護 / 難病看護 / 小児看護 / がん看護 / 専門看護師 / 認定看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、周産期看護領域、難病看護領域、小児看護領域の質問紙調査とフォーカスグループインタビューを実施し、これらの分析結果に基づくインストラクショナルデザインによる上級実践看護師への遺伝看護教育プログラムの作成を開始した。 周産期看護領域の結果:高度実践看護師の現状は、遺伝看護ケアへの関心と重要性に対する認識は高く、やりがいを感じて実施している。しかし、知識や経験不足から自身の実践の評価を行うことができないことへの問題意識を持っていた。次に高度実践看護師に必要と考えるパフォーマンス(実践力)であるが、母性看護専門看護師は①遺伝学的検査、②遺伝性疾患、③遺伝カウンセリング、④妊娠初期の妊婦ケアの意義、⑤胎児異常の診断を受けた両親へのケア、⑥先天異常を持つ子供の養育家庭支援、⑦胎児と死別した両親のグリーフケア、⑧次子の妊娠へ不安を持つ両親への支援、⑨看護職者への遺伝看護ケアのサポートであった。また、新生児集中ケア認定看護師が必要と考えるパフォーマンス(実践力)に必要な課題は、①両親・家族をケアするための遺伝リテラシー、②両親が遺伝性疾患を持つ子供を育て始める過程の支援、③遺伝性疾患を持つ子どもの新生児期以降の養育支援、④家族中心のケアのためのシステム構築、⑤数か月のいのちと予想される子供と親のQOLの質を高めるケアに関する教育であった。周産期看護領域においては、現在、この結果を受けて教育プログラムを作成している。 難病看護領域、小児看護領域については、質問紙調査とフォーカスグループインタビューを終えており、現在、現状とパフォーマンス向上のための課題を分析している。平成29年度の日本小児看護学会、日本遺伝看護学会に報告予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、インストラクショナルデザインによる教育プログラム作成を行っている。この教育設計のプロセスにおいては、まず学習意欲(看護師らが持つ課題への関心すなわち教育を受ける前の状態の把握)と、パフォーマンス(獲得したい実践能力すなわち教育を受けた後の成果)の調査が不可欠になる。この結果をうけて、プログラムを作成、プログラムの実施、評価と続く。 周産期看護領域は、学習意欲と目指すパフォーマンスの分析が終了し、研究成果の公表を終え、プログラムを作成中である。 難病看護領域ならびに小児看護領域は学習意欲と目指すパフォーマンスの調査を終了し分析を行っている。平成29年に研究成果の公表を行いプログラムを作成する予定である。 がん看護領域においては、調査の準備を行っている。 難病看護領域および小児看護領域のプロジェクトリーダーが熊本大学、宮崎大学であり、平成28年度の熊本地震による復興にかかわる庶務が加わり、研究を進めるのに困難を要した。このことについては、連携研究者を加え、リーダーの負担を軽減しつつ、進めている。がん看護領域においては、日本家族性腫瘍学会にて看護職に対する調査が先行した関係で、新たな調査の枠組みを行うか、検討する必要があった。現時点では我々の枠組みの調査を実施できる見通しが持てたので平成29年度に実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に4領域のプログラム作成を全て完了する。 周産期看護のみは平成29年度内にプログラムを実施し、評価まで行う。 難病看護領域、小児看護領域、がん看護領域においては、平成30年度にプログラムの実施と評価を行う。
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Causes of Carryover |
周産期看護領域、難病看護領域、小児看護領域、がん看護領域、計4領域のプログラム作成前の調査をすべて終える予定であったが、がん看護領域の調査を残すことになった。 また、4領域のうち1領域の教育プログラムを実施する予定であったが、年度末になり、研究協力者(プログラム受講生)のリクルートが難しい時期に入り、次年度に実施するほうが効果的と判断し、実施を見送ったため予算が残る結果になった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度にがん看護領域の調査を実施する。また教育プログラムを順次行っていく。 未使用額は、調査・プログラム実施の際の旅費や協力者への謝金に充てる。
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Research Products
(5 results)