2017 Fiscal Year Annual Research Report
青年期発達障害者の性における対人教育プログラム開発に関する研究
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26293472
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮原 春美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (00209933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩永 竜一郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (40305389)
森藤 香奈子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (70404209)
佐々木 規子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (90315268)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 発達障害児 / 発達障害者 / 青年期 / セクシュアリティ / 対人関係教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,青年期発達障害者の1)性行動の実態を明らかにすること,2)性に関する対人教育プログラムを開発すること,3)対人教育プログラムの汎用化を図ること,4) 発達障害児・者の性発達・支援に関わる専門家のネットワークを構築することである. 1)については,障害者に関わる支援者の性に対する認識および態度について調査し,投稿中である.また女性青年期障害者の月経に関する知識不足及びセルフケア能力の不足が明らかになった.そのため軽度の知的・発達障がいのある18-20歳の女性訓練生12名を対象に,Haweらのヘルスプロモーションの評価のプロセスを参考に月経教育プログラムを中心としたヘルスプロモーション活動を実施した.目的や目標が達成されたかどうかは,月経教育プログラムの前後で実施した月経状況調査票により評価し,月経教育プログラムの実行性,実施率,総合評価は,フォーカスグループインタビューや施設職員インタビュー,評価アンケートにより評価した.その結果,対象者の約6割に月経随伴症状の軽減と対人関係の改善がみられ,5割に作業効率の向上がみられた.また,対象者の7割以上にセルフケアの向上がみられ,ヘルスプロモーション活動の目的・目標は達成された.この結果について投稿準備中である.2)については今年度は主に女性用プログラムの開発を行った.3)については,医療者,障害児・者の支援者,特別支援学校教員,保護者を対象にしたワークブックの作成を行っており,現在半分原稿が完成している.また障害児・者の支援施設職員や特別支援学校教員を対象とした研修会の講師として本研究の成果を公表し,汎用化を図っている 4)については引き続き障害児・者の性を考える教育研究会を継続し,成果をHPで公開する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,青年期発達障害者の1)性行動の実態を明らかにする,2)性に関する対人教育プログラムを開発する,3)対人教育プログラムの汎用化を図る,4) 発達障害児・者の性発達・支援に関わる専門家のネットワークを構築することである。目的1)2)4)についてはほぼ終了しているが, 現在3)についてワークブック執筆中であるが,より実践的内容にし,プログラムを精錬するために研究期間を延長したことと,論文投稿が終了していないため,おおむね順調とした.
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長を行ったので,特に新しい取り組みは行わず,これまでの成果のまとめを行う
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Causes of Carryover |
本研究の目的は1)性行動がより活発化する青年期発達障害者の性行動の実態を明らかにすること,2)青年期発達障害者の性に関する対人教育プログラムを開発すること,3)発達障害児・者の性に関する対人教育プログラムの汎用化を図ること,4) 発達障害児・者の性発達・支援に関わる専門家のネットワークを構築することである。 目的1)については2016年に調査を行い,現在論文投稿中である.2)についてはほぼプログラムの開発を終了しその一部を論文投稿予定である.また,4)についても研究会を発足させ,年間4回の研修会を開催し,その成果をHPや通信として発信している. 現在3)発達障害児・者の性に関する対人教育プログラムの汎用化のためにワークブック執筆中である.より実践的内容にするために4)で構築したネットワークの中からプロジェクトチームをつくり,現在進行しているところである.教材,プログラム内容の検討のためには少なくともあと1年は研究期間を延長する必要があり,そのため次年度使用額を計上した.
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