2015 Fiscal Year Annual Research Report
小児がん看護の標準化を目指した「ガイドライン」の臨床活用の検討とケアモデルの開発
Project/Area Number |
26293474
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Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
内田 雅代 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70125938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 幸江 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (00311902)
高橋 百合子 (大脇百合子) 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (00438178)
足立 美紀 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (10457905)
白井 史 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (30420699)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小児がん / 家族 / ケアガイドライン / 評価 / 入院環境 / 質問紙調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. ケア環境に関する全国調査の実施 小児がんの子どもや家族が安心して療養生活を送ることができる「ケア環境」の現状を明らかにすることを目的に、1)入院環境の実態、及び、2)病棟における小児がんの子どものケア内容について、全国108病院(各病院に小児がんの子どもが入院している病棟が2病棟あると想定し216件の調査用紙を配布)の、看護師長および病棟のエキスパートナースを対象に、質問紙調査を実施した。1)に関しては、8年前に実施した小児がんの子どもの調査に用いた項目と新たな視点を追加したケア環境の現状と課題に関する項目について尋ねた。2)に関しては、小児がん看護ケアガイドラインの指針に基づくケア内容に関する項目について、病棟における看護実践の程度とその重要性の程度について5段階のスケールで尋ねるとともに、病棟での看護ケアにおける困難、課題と取り組みに関して自由記述により回答を求めた。1)2)ともに、約3分の1の質問紙が返送され、現在、それらの結果についての詳細を分析中である。2)の一部について「日本における小児がん看護ケアガイドラインの評価」として、2016年に開催される国際小児がん学会に抄録を提出した。 2. 北米及びヨーロッパにおける小児がんの施策と医療・ケアの体制、研究の動向の把握 2015年の国際小児がん学会に研究協力者2名が、米国の小児血液腫瘍看護学会に研究協力者1名が参加し、各国の小児がん看護の現状把握や新たな取り組みに関する知見を得、研究者間で共有した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1. 小児がんの子どもの治療ステージに沿った観察・面査調査の実施の遅れについて 平成27年度中に調査の開始を予定していたが、研究者間で、観察調査について治療ステージに沿ってどのような局面で行うことが可能か、また、長期間同じ研究者が病棟において子どもや家族を観察することは難しいのではないか、面接調査を中心に行うことがより妥当なのではないか等、さまざまな議論がなされた。また、看護師と子どもや家族が相互に相談し確認し合うケアシートに関して、各治療ステージの特徴をふまえ、順調に治療が進まない場合も含め、遭遇する事柄を想定した内容について詳細に検討する必要があることから調査のための準備が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 小児がんの子どもの治療ステージに沿った面接調査 平成28年度早期に、昨年の検討事項を確認・協議し、遅くとも夏には、調査を開始する。これにより、子どもや家族と相談し話合い、ともに創造するケアの実施に関する課題や今後に向けた示唆を得、質問紙調査の結果と合わせて具体的なケアモデルの開発およびガイドラインの修正に繋げる。 2. 質問紙調査結果の看護師へのフィードバック 第14回日本小児がん看護学会にてワークショップを実施し、調査結果を看護師にフィードバックするとともに、グループワークの実施により病棟における看護ケア内容のふり返りや新たな取り組みに関して参加者間での情報共有を行う。これらから、さらにケアモデルの検討を重ねていく。 3. 質問紙調査の結果を、国内外の学会に発表し、小児がんのケア環境に関する現状の理解と今後の課題について広く周知するとともに意見交換を行う。
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Causes of Carryover |
平成27年度に予定していた全体会議を看護の学会や他の会議等に併せて実施できたため、会議費の支出が少なかった。また、当初の調査実施計画の遅れのため、この調査を28年度に実施することになったため、次年度の使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は、治療ステージに沿った面接調査などの実施を速やかに進め、平成27年度に実施した質問紙調査結果も含め、それらの成果を臨床現場に還元するために各拠点病院の看護部長との面談等を計画している。これまでの成果を基に資料をまとめ、学会等においてワークショップ等を開催する。また、研究者会議を開催し全体としての研究活動の推進に努めるとともに、看護師への小児がん看護の専門教育への資料づくりにも貢献していく。
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