2015 Fiscal Year Annual Research Report
アブラナ科植物の伝播・栽培・食文化史に関する領域融合的研究
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26300003
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
武田 和哉 大谷大学, 文学部, 准教授 (90643081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 正夫 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90240522)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 科学技術史 / 育種学 / アブラナ科植物 / 食文化 / 農業史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度は、年度当初に科研班のコアメンバー間による打ち合わせを実施した。情報交換と研究遂行の方針等について意見交換を行い、現状の問題点の把握や、成果物のとりまとめの方向性について意見交換を行った。その上で、代表者から科研班関係者全員に対して、打ち合わせの結果や今年度の方針等についての示達を行い、問題点や最新状況等についての理解と情報共有を図った。 また計4度の海外調査を実施した。4月には韓国を訪問して各地の研究機関の視察を行いつつ、忠南大学や順天大学の関係者との学術交流・情報交換等を実施した。6月には、中国雲南省内にて調査を行い、雲南大学の研究者と共同でセミナーを行い、学術交流を図った。続いて、7月には中国陝西省内にて調査を行い、現地の西北農林科技大学では共同で公開講演会を開催した。日本側・中国側ともに、文系・理系の研究者が一堂に会して、それぞれの専門分野における問題認識や研究視点について報告を行った。日本でもこの種の会合はまだ多くないが、中国ではほとんど初めての試みとなり、現地の研究者らからは先進的な試みとして評価する旨の発言もあった。8月にはウズベキスタン共和国内で調査を実施し、現地の農業灌漑施設や農業関係施設の視察と、博物館・史蹟等の見学を実施した。 こうした活動経過を踏まえて、2月には愛媛県松山市内にて調査成果・諸活動の報告会を行い、翌日は今治市内に移動して農業産品販売施設や各品種の自生地の視察、および今後の成果物とりまとめに関する討論と打ち合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度は、人文系・農学系の双方の研究者が参加する調査を計4度にわたり実施するなどして、信頼関係や相互理解がさらに深化してきている。 さらに、海外調査の傍ら、現地の調査研究機関等との学術交流も精力的に実施してきており、実際に中国における2地域での調査では、現地機関との交流は成功裏に終わり、今後の研究において協力・提携が視野に入りつつある。 さらに、2017年度で最終年度を迎えることから、折り返しとなる2015年度末において今後の成果物とりまとめについての意見交換を行い、概ね共通の理解が形成されつつあるので、2016年度に向けてその準備を促進させている。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度は、2015年度の調査所見を踏まえて、中国や東南アジア等における調査と現地調査研究機関との交流等を実施する予定である。 また、成果物のとりまとめ作業について、その準備を2016年度より着手することとし、農学系側では各種遺伝子源の分析作業を、また人文系側では各種の史資料の調査と集成作業を、それぞれとりまとめに着手していく予定である。
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Causes of Carryover |
2015年度調査は経費節減に努めるとともに、2015年度に実施した調査により再訪問の必要が生じた調査地については2016年度に再調査をするための経費として積み立てておくこととした。その方針の結果として、次年度使用額が発生している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度に、再度中国国内での調査を2件予定しており、その中で適切に執行されていく計画を策定している。
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