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2014 Fiscal Year Annual Research Report

中国格差社会における「つながり」の生成―基層社会の弱者に対する支援を手掛かりに

Research Project

Project/Area Number 26300011
Research InstitutionThe University of Shimane

Principal Investigator

李 暁東  島根県立大学, 総合政策学部, 教授 (10405475)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 平石 耕  成蹊大学, 法学部, 教授 (00507105)
江口 伸吾  島根県立大学, 総合政策学部, 教授 (20326408)
唐 燕霞  愛知大学, 現代中国学部, 教授 (80326404)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2018-03-31
Keywords政治学 / 社会学 / 国際研究者交流 / 国際情報交換
Outline of Annual Research Achievements

①2014年5月12日に、成蹊大学でキックオフミーティングを開催した。打ち合わせでは、共同研究の役割分担と、夏の現地調査の調査先や、年度末のワークショップの内容などの年度計画について話し合い、方針を決めた。
②6月8日に、日中社会学会第26回大会(於大同大学)のシンポジウム「中国にとって、『市民社会』とは?」で、研究代表者が「百姓(バイシン)社会:中国の『市民社会』の語り方」と題する報告を行った。「百姓社会」という視点は、本共同研究が中国の基層社会「社区」における「つながり」の形成を考察する基本的な視点である。
③9月3日―7日、北京で現地の学者や専門家と座談会を行い、北京市の社区を調査した。まず、4日に中国人民大学の社会学部で、人民大学の于顕洋教授、北京社会科学院の于燕燕教授、北京科技大学の時立栄教授などと座談会を行い、中国における養老、社会保障と社区建設の現状について意見交換をした。5,6日に、北京市北下関街道の南里二社区、有色金属設計院社区、そして、八里庄街道の八宝庄社区を訪れ、社区内の年寄りを中心にインタビューを行い、社区のスタッフから社区建設の取り組みについて説明を受けた。
④2015年2月2日に、中国人民大学の于顕洋教授、中山大学の張永宏教授を招き、一橋大学で科研ワークショップ「中国都市『社区建設』の現状と展望」を開催した。于顕洋氏、張永宏氏、そして、当科研研究分担者唐燕霞氏が、それぞれ「中国都市社区の住民を繋げる紐帯及びその影響」、「中国基層社会の非組織化動員」、「江漢模式と社区自治」と題する報告を行った。連携研究者南裕子氏、研究代表李暁東がコメントした。
⑤2月11―16日、研究代表者李、研究分担者唐は、現地研究協力者の協力の下で、広州の員村街道新村社区を始め、各社区で「弱勢群体」に属する低所得層家庭を訪問して、インタビューを行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は、中国各地の都市「社区」における「つながり」形成の可能性、及び「つながり」の形成に「政治」が果たす役割を明らかにすることを趣旨とするが、2014年度の二回にわたる中国都市社区に対する調査と年度末のワークショップの開催を通じて、科研初年度の目標を達成することができたと思われる。
まず、社区に対する調査では、中国社会が社会的弱者(「弱勢群体」)に対する支援を通して、市場経済の深化によって失われた基層社会の人々の間の「つながり」をいかに取り戻すかを考察するために、社区の中で生活している年寄りや、経済的に貧困である家庭を訪問し、インタビューなどを通じて、社区における「弱勢群体」の現状を把握することに努めた。これまでの研究では、社区の居民委員会のスタッフにしかインタビューできなかったが、今回、現地の研究者の積極的な協力の下で、社区の中の「弱勢群体」の家庭を訪問し、研究対象の生の声を聞くことができたのは大きな収穫だった。調査を通じて、社区における「弱勢群体」の現状に対する理解を深めることができた。また、年度末のワークショップの開催を通じて、中国の社区研究の専門家と研究交流を深め、社区、ないし中国社会における「つながり」の形成の重要性について、共通した認識を持った。于顕洋氏、張永宏氏、そして唐氏の報告は、社区における住民間の紐帯形成につながる資源や社区における動員、居民委員会の役割について論じ、議論を重ねた。ワークショップは来年度の研究展開のために、重要な手がかりを提供した。

Strategy for Future Research Activity

①現地調査:中国では、「社区建設」の過程で数多くの「模式」が創出された。これらの性格の異なる社区における多様な取り組みを把握するために、中国現地の研究協力者の協力のもとで、瀋陽、南京、昆明各地を中心に調査を行う。より多くの事例を把握するためになるべく多くの社区を訪れるが、特色のある社区について追跡調査も行う予定である。なお、調査方法は、社区における居民委員会の責任者や、ボランティア活動のリーダー、各種社会組織のリーダー、民政部門の担当者に対する聞き取り調査とアンケート調査を中心とする。
②中国の研究者とワークショップや、研究会を開催する現地の研究協力者のアレンジのもとで、中国社会科学院社会学研究所、中国人民大学社会学院などの研究機関の研究者とワークショップや、研究会を開催し研究交流を深める。
③資料収集:海外調査地で各種の統計資料、関連分野の最新研究成果など書籍、資料を購入。
④研究成果の発表:現地調査と国内外の研究会で得た成果を中間発表の形で日中社会学会などで報告し、広く意見を求める。

  • Research Products

    (8 results)

All 2015 2014

All Journal Article (2 results) Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results) Book (4 results)

  • [Journal Article] 中国におけるグリーン・ツーリズムの展開と村落自治組織-村民自治制度、農村土地所有制度との関連から2015

    • Author(s)
      南裕子
    • Journal Title

      「人文・自然研究」

      Volume: 第9号 Pages: 156-189

    • DOI

      http://hdl.handle.net/10086/27154

  • [Journal Article] 現代中国の国家建設と社会建設―基層社会の変化を手がかりに―2014

    • Author(s)
      唐燕霞
    • Journal Title

      華東政法大学『“比較現代化視野下的中日国家建設”研討会論文集』

      Volume: 1 Pages: 67-85

  • [Presentation] 日本の構造改革と格差社会の形成2014

    • Author(s)
      唐燕霞
    • Organizer
      大連民族大学招待講演
    • Place of Presentation
      中国大連民族大学
    • Year and Date
      2014-12-13
    • Invited
  • [Presentation] 「百姓(バイシン)社会:中国の『市民社会』の語り方」2014

    • Author(s)
      李暁東
    • Organizer
      日中社会学会
    • Place of Presentation
      大同大学
    • Year and Date
      2014-06-07 – 2014-06-08
  • [Book] 『近現代中国人日本留学生の諸相―「管理」と「交流」を中心に2015

    • Author(s)
      大里浩秋・孫安石編
    • Total Pages
      638
    • Publisher
      御茶の水書房
  • [Book] (溝口雄三著作集)『李卓吾・両種陽明学』2014

    • Author(s)
      孫軍悦・李暁東訳
    • Total Pages
      263
    • Publisher
      中国三聯書店
  • [Book] 日中関係40年史(1972~2012) Ⅰ 政治巻2014

    • Author(s)
      菱田雅晴・服部龍二編
    • Total Pages
      340
    • Publisher
      中国社会文献出版社
  • [Book] 中国社会の基層変化と日中関係の変容2014

    • Author(s)
      愛知大学国際中国学研究センター
    • Total Pages
      262
    • Publisher
      日本評論社

URL: 

Published: 2016-06-01  

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