2015 Fiscal Year Annual Research Report
先古典期マヤ人の日常生活と社会経済組織の基礎的研究
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26300025
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
青山 和夫 茨城大学, 人文学部, 教授 (70292464)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 考古学 / 先古典期マヤ文明 / 比較文明 / 社会経済組織 / 文化人類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、中米グアテマラ共和国のセイバル遺跡の都市周辺部に住んだ支配層と農民の住居跡とその周囲に広範な発掘区を設定して層位的発掘調査を実施し、多種多様な出土遺物の詳細な分析を通して、古典期(後250~1000年)に先立つ先古典期(前1000~後250年)のマヤ人の日常生活と社会経済組織の基礎的研究を推進することである。支配層と農民の住居跡を全面発掘し、土器、石器、その他の全ての出土遺物を分析対象とする。青山が担当する石器の分析では、全石器の属性分析を行い、高倍率の金属顕微鏡を用いて石器の使用痕を分析する。支配層と被支配層が製作、流通、消費した様々な遺物の時間・空間分布を研究して、まだ十分に解明されていない先古典期マヤ人の日常生活と社会経済組織に関連する基礎的かつ実証的なデータを収集する。遺物の分析にはより多くの時間を要するため、平成26年度の発掘調査の終了後、30年度まで5カ年一貫して続行する。とりわけ土器の分析は、出土量が最も多いために、複数の調査員が担当する必要がある。 都市中心部と都市周辺部から出土した石器の製作技術・工程に関する属性分析を行い、石器の分析データをコンピュータに入力してデータベース化した。石器の写真撮影を行い、石器の実測図を作成した。高倍率の金属顕微鏡で使用痕を分析して、石器の機能を実証的に検証した。ハンドヘルド蛍光X線分析計をグアテマラに持ち込んで、5,375点の黒曜石製石器の産地を同定した。遺跡から出土した炭素試料のAMS年代測定を行った。メキシコ国立自治大学で開催されたマヤ石器国際会議において招待講演を行い、グアテマラの国際学会や古代アメリカ学会などで研究成果の一部を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
発掘調査の終了後に、海外共同研究者と協力して多様な遺物の分析を着々と進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
遺物の分析にはより多くの時間を要するため、平成30年度まで5カ年一貫して続行する。とりわけ土器の分析は、出土量が最も多いために、複数の調査員が担当する必要がある。
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Causes of Carryover |
消耗品の値段が見積額と異なっていたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品の購入に利用する。
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Research Products
(17 results)