2014 Fiscal Year Annual Research Report
援助と投資の経済人類学:エチオピアの食料資源の市場化/脱市場化に関する実証分析
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26300035
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
松村 圭一郎 立教大学, 社会学部, 准教授 (40402747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐川 徹 慶應義塾大学, 文学部, 助教 (70613579)
藤本 武 富山大学, 人文学部, 准教授 (20351190)
田川 玄 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (70364106)
曽我 亨 弘前大学, 人文学部, 教授 (00263062)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 経済人類学 / 移住政策 / ランドグラブ / アグリビジネス / 開発援助 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である平成26年度は、8月にエチオピアの首都アジスアベバにおいて、代表者と分担者で第1回の現地ワークショップを開催し、今後の研究の進め方、各調査地の状況に関する情報共有、現地協力者との関係構築について、議論を行った。また、8月~9月の現地調査をふまえ、10月に第1回国内研究会を開催し、本研究課題のなかで、各フィールドの状況がどのように関連し、ずれているのか、現地調査報告をとおして検討を重ねた。さらに、3月には、一部の分担者がエチオピアでの現地調査を実施し、役割分担に応じた情報収集を進めた。 これまでのワークショップや研究会、現地調査によって次のような点が明らかになった。1.各フィールドによって、援助と投資の絡まりが明確にみえる地域と、そうではない地域がある。2.経済投資のなかには、家畜の肥育やゴマ栽培など食料資源への投資がある一方で、石油掘削や水力発電のためのダム開発といった資源開発への大規模な投資も関係している。3.一部の調査地では、プランテーション開発にともなう集団移転に食糧援助が活用されている。 こうした調査結果をふまえ、平成27年度においても、着実な現地調査の実施によって、各フィールドから具体的な事例を収集し、それらを総合的に分析する理論的な枠組みの検討を進める計画である。とくに現地エチオピア人研究者と協力し、援助と投資の関係について、エチオピア政府の政策的な立場やそれに関連した国際社会の動向など、今後の状況の推移を把握するための基礎的な情報収集を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した国内研究会の開催や現地調査に関する成果の検討などは、計画通りに実施できており、現地調査も、当初計画よりも短期間になったり、調査に出られなかった分担者が若干いたものの、それぞれ情報収集を計画通りに進めており、おおむね順調に進展していると認められる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、現地研究機関とも協力し、エチオピアでの開発援助や経済投資の現状や今後の動向についての情報収集を進めるとともに、現地調査をとおして具体的な事例の収集と分析を行い、全体の分析枠組みを固めていく方針である。
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Causes of Carryover |
研究代表者および分担者の所属大学の職務などの状況により、現地調査の期間が計画よりも短期間になったことなどの関係で、使用計画とのずれが生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
できるだけ現地調査のための時間を確保することで、翌年度分とあわせた研究費の使用を計画している。
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Research Products
(13 results)