2014 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア伝統衣服製作技術体系の解明と伝承教育最適化のためのプログラム開発
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26301001
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
下田 敦子 大妻女子大学, 人間生活文化研究所, 助手 (60322434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綾部 真雄 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (40307111)
中川 正宣 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (40155685)
大澤 清二 大妻女子大学, 人間生活文化研究所, 所長 (50114046)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 無文字社会 / 伝統衣服製作技術 / 身体技術の伝承 / 伝承方法の最適化 / 項目反応理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、急激な社会の変貌により現在消失の危機に瀕している東南アジアの無文字社会に伝承される身体を用いた衣服製作技術を残すべく、今なお地機(じばた)を用いて衣服を製作する諸民族のフィールド調査によってそれら技術を映像と文字に置き換えて保存する。同時にこれら技術の伝承過程を技術要素に分解し、項目反応理論によって難易度を計量する。この難易度に従って最適化した習得過程を見出し、併せて習得最適年齢を求め、これによる伝承方法とそのプログラムを提案する。更にこれを職業訓練や学校教育による試行を通して実用化する。 そこで平成26年度は年初に国内で準備会をし、研究計画、役割分担と現地調査の準備について協議した。続いて「調査員マニュアル」を作成して現地において「現存する技術要素調査」の調査員に対する研修会を行い、その後調査を実施した。ここでは調査員、補助員が衣服製作技術熟練者を訪問し、調査項目に従って製作工程を聞き取り、原物標本を収集した。これらのデータを整理、チェックした後に入力し技術要素の項目を抽出する作業を開始した。併せて「技術の保存研究」を開始した。調査員、補助員、カメラマンが前記の衣服製作技術熟練者に製作の手順に個々の技術要素を再現してもらい詳細に映像と文字で記録し、使用する専門用語を録音した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地の調査受け入れ体制が極めて良好であったため、おおむね順調に遂行することができた。 ミャンマーでは一般には調査目的のために現地に外国人が立ち入るのは困難であるが、幸いにも現地州政府から正式な許可を得ており調査が問題なくできた。調査実施にあたっての安全面についても州政府による支援を得ることができた。 タイではこれまでの現地における活動実績から、公立の教育機関から諸民族の集落、村人に至る幅広い人的ネットワークにより協力、支援を得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、本研究課題の要である「技術習得プログラムの開発」に向けた技術習得状況調査を実施するとともに、技術の保存の為の用語集と映像の整理編集を継続して行う予定である。そのため今まで以上に現地による支援が機関レベルはもとより個人レベルで必要になってくる。平成27年度の活動開始早々に昨年度の研究実績を現地に報告して理解を得て、調査への変わらぬ協力を得られるようにする。天災が起きない限り計画通りに遂行するつもりである。
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Research Products
(7 results)