2015 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカにおける日本企業のものづくり戦略ー組織能力の「適用」と「適応」
Project/Area Number |
26301023
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
公文 溥 法政大学, 社会学部, 教授 (50061239)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
銭 佑錫 中京大学, 経営学部, 教授 (00329658)
板垣 博 武蔵大学, 経済学部, 教授 (20125884)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 日本型経営生産システム / 組織能力 / ハイブリッド工場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究のテーマは「アフリカにおける日本企業のものづくり戦略ー組織能力の「適用」と「適応」」であり、日本企業を対象として日本型経営生産システムのアフリカへの移転可能性を現地調査に基づいて明らかにすることである。 調査研究の2年度目にあたる2015年度は、ケニア、南アフリカ共和国そしてナイジェリアの3カ国を訪問し、日本企業および現地企業でインタビュー調査を実施した。3カ国で日本企業を訪問して、経営者とのインタビューを行い、システム移転の現状について調査した。さらに特筆すべきは、ナイジェリアおよび南アフリカにおいて、現地企業と政府機関を訪問できたことである。これは、アフリカの経営環境要因を知る上で大変有益であった。ナイジェリアでは、生産性本部を訪問し、日本の製造技術を積極的に導入しつつあることを確認した。また南アフリカでは同国生産性本部の仲介で、日本システムを導入し経営成果を上げた現地企業を訪問した。 また南アフリカでは、欧州系自動車企業を訪問し、日本システムを積極的に導入して経営成果を上げていることを確認した。 海外調査の成果を会社記録という名称で記録し、毎月の研究会で随時発表し討論を行っている。この作業は現在も進行中である。 調査研究の最終年度になる2016年度は、南アフリカ共和国の自動車産業の組み立てと部品メーカーを訪問する予定である。アフリカは産業がクラスター(集積)を形成することが稀であるが、南アフリカの自動車産業は例外的にクラスターを形成しているので、その実態をより詳細に調査することにする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査研究は、おおむね順調に進んでいる。初年度は、ナイジェリアへの訪問を予定したが、エボラ出血熱の2次流行のため訪問できなかった。2年度目には、ナイジェリアにも訪問した。これで、北部(エジプトなど)、東部(ケニアなど)、南部(南アフリカなど)と、西部のナイジェリアを訪問し、アフリカの主要な地域と国を訪問し、そこにおける日本企業と現地企業のインタビュー調査を実施できた。 そしてケニアにおいて学会に参加し、われわれの研究成果を報告し、研究者と意見交換を行う機会を持つことができた。 調査研究の成果は、会社記録という名称で記録、データベース化している。
|
Strategy for Future Research Activity |
3年度目の課題は二つである。一つは南アフリカ共和国の自動車産業を訪問することである。同国の自動車は珍しく部品産業を幅広く備えている。それで日系と欧米系の組み立て企業及び部品企業を訪問し実態をより詳細に調査する。二つめは、3年間の研究成果をまとめることである。われわれはそれ以前のアフリカ調査の実績があるので、それらと合体させた研究成果を書籍の形で発表する予定である。書籍は、日本語と英語の両方で発表する。このほか、研究成果を内外の学会でも発表するべく準備をしている。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が発生した理由は、(1)国内研究会への出席者が都合により2度ほど欠席したために、交通費の未使用が発生したこと、(2)国内工場見学への参加者が予定よりも少なくなったため、交通費の未使用額が発生したこと、による。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、海外調査(夏休みに南アフリカ共和国の日系及び現地系企業を訪問する)、毎月の研究会および国内工場調査を予定通り行うので、未使用額が発生しないものと考える。
|
Research Products
(2 results)