2016 Fiscal Year Annual Research Report
多様な学習歴を活かした工学系高度専門職業人養成カリキュラムの開発
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26301042
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐藤 孝 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10143752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 忠明 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10211286)
坂本 秀一 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (40211932)
後藤 康志 新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (40410261)
佐々木 朋裕 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (40432067)
岡 徹雄 新潟大学, 自然科学系, 教授 (40432091)
田邊 裕治 新潟大学, 自然科学系, 教授 (60143020)
平尾 篤利 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (70455111)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 工学教育 / 課題探究能力 / 国際的競争力 / 国際比較 / 副専攻 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題は,工学分野における課題探求能力(社会のニーズをとらえ,深い洞察と科学の理解に基づいたアイディアを提案し,現実の「もの」として具現化する能力)と国際的競争力を持つ人材育成カリキュラムの提案を目的としている。社会のニーズの把握には幅広く国内外の社会を見る「教養」が,アイディアの提案には「専門・一般科学」が,「もの」を具体化する能力には「工業的技能」が必要とされるが,高校普通科から大学に進学した者は「教養」「一般科学」において優れるものの「工学的技能」においては劣り,工業高校から進学した者や工業高等専門学校からの編入生はその逆の特性を持つ。そこで,異なった学習歴を持つ学生がその特性を発揮しつつ,自らの課題探求能力を育成する工学教育システムの開発を目的とし,ドイツ及び欧米諸国との国際比較研究を行うと共に,国際化に関しての先進国であるこれらの国々の現状を調査している。 平成28年度は,ドイツの大学との間で繰り返し打ち合わせを行うと共に,スタンフォード大学からも講師をお招きしてアメリカにおける工学教育についてご講演をいただくとともに、新潟大学工学部が採択された平成28年度大学の世界展開力強化事業採択プログラム「メコン諸国と連携した地域協働・ドミトリー型融合教育による理工系人材育成」の関係で新潟大学工学部を訪問してくださったメコン諸国の研究者とも情報交換を行った。また,国内外の工学教育に関係する学会にて情報収集を行うと共に,ダイバーシティ教育の観点からも検討を加え,特にドイツと日本並びに東アジアと日本の工学教育の類似点並びに相違点について調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者らはこれまでから,工学教育に関してドイツと日本並びにその他の欧米諸国と日本の比較研究を行ってきている。3年度目の本申請課題では,具体的な工学教育の方法の違いを明らかにするためのアンケート調査項目の検討を進めるとともに,ドイツ・マグデブルグ大学からの訪問者との間で長時間に亘って打ち合わせを行った。そして,これまでに得られた知見を基に,東アジア地区の工学教育に関する国際会議において発表するとともに様々な観点からの工学教育に関する情報交換を行った。 本申請課題の代表研究者である佐藤 孝は,新潟大学教育・学生支援機構グローバル教育センターのセンター長となり,全学の立場からグローバル化された社会における大学教育について検討を加えることとなったが,分担研究者を中心に工学教育のグローバル化の展開については検討を継続している。 これらの結果については,これまでの研究成果と合わせて既に国内外の会議などで発表している。特に,上記の東アジア地区の工学教育に関する国際会議(Asian Conference on Engineering Education 2017)において,申請者らの発表がBest Paper Awardを受賞した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに工学教育の方法の比較のためのアンケートの調査項目は完成しており,今後はいくつかの大学にそのアンケートへの回答を依頼するとともに,調査対象としている大学への訪問とそれらの大学からの国際交流関係教職員の招聘,また日本国内の工学教育の研究者との情報交換などを通じて,日本のスペシャリスト養成型教育とドイツ並びにその他の欧米諸国のジェネラリスト養成型並びにリベラルアーツ型の教育システム,そして東アジア並びに東南アジア地区の工学教育との比較を行う。
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Causes of Carryover |
5年間の研究課題であり,4年目以降にまとめて使用するのが効率的であると判断したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費として研究を進めるにあたって必要な消耗品を購入する。
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Research Products
(12 results)