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2015 Fiscal Year Annual Research Report

河川流量変化に伴う北部タイランド湾の貧酸素水塊の挙動に関する研究

Research Project

Project/Area Number 26302001
Research InstitutionEhime University

Principal Investigator

森本 昭彦  愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (80301323)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 郭 新宇  愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (10322273)
三野 義尚  名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 助教 (20362303)
兼田 淳史  福井県立大学, 海洋生物資源学部, 准教授 (70304649)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords貧酸素水塊 / 熱帯 / 沿岸
Outline of Annual Research Achievements

平成27年度は前年度に引き続き、北部タイランド湾の貧酸素水塊と水塊特性の水平分布を把握するための船舶観測を4月と6月に実施した。また、北部タイランド湾北西部の溶存酸素、水温・塩分、流速の時系列データを取得するための係留観測を継続した。今年度の観測により当初予定していた計7回の船舶観測と、1年を通しての係留系観測を完了した。北部タイランド湾の貧酸素水塊の時空間分布が1年を通し観測されたのは初めてのことである。北部タイランド湾の貧酸素水塊は雨季の始まる6月に最大河川であるチャオプラヤー川の河口域で発生する。8月には貧酸素水塊は湾北東部に広がり、一部ではほぼ無酸素の状態となる。その後、9月には北部タイランド湾のほぼ半分の海域に貧酸素水塊は広がり、11月には湾北西海域でほぼ無酸素状態となることが分かった。このような貧酸素水塊の分布は成層強度と表層のクロロフィル濃度の分布と全体的には一致している傾向が見られたが、細かくみていくとその2つの要素だけでは説明できないことが分かった。観測されたデータを使いボックスモデル解析を行った結果、貧酸素化した水塊の水平移流が関係していることが示唆された。数値モデルについては、平均的な風、熱フラックス等を与えた計算により、北部タイランド湾の物理場を再現することができた。このモデルにより、6月~11月にかけて表層の低塩分水が湾北東部から北西部へ移動する様子を再現することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成26年8月から平成27年6月までの1年間、予定していた7回の船舶観測を実施することができた。平成26年の12月の航海は、海況の悪化によりいくつかの観測点での測定ができなかったが貧酸素水塊分布の季節変化を把握するという目的は達成することができた。水塊特性の時間変化を捉えるための係留観測も、心配していた機器の盗難もなく1年を通した連続データを取得することができた。観測された貧酸素水塊の挙動を解明するための数値モデルの開発も順調に進んでおり、研究全体として予定通り進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

船舶観測データと係留観測データから北部タイランド湾の貧酸素水塊の発生とその挙動について解析した結果を論文としてまとめ投稿する。今後は、数値モデルを使い以下の2つの研究を中心に行う。1つ目は、河川流量変化による北部タイランド湾の流動場の変動に関する研究である。平成27年度に完成させた物理モデルを使い、2011年の大洪水時と平均的な状態の2ケースの計算を行い、河川流量の増加が北部タイランド湾の流動場をどのように変えるのか、また、表層の低塩分水の分布がどのように変化するのか明らかにし、力学的な説明を行う。2つ目は、平成26-27年度に船舶観測を行った期間の物理場を数値モデルにより再現し、さらに、このモデルにシンプルな低次生態系モデルを結合することで、貧酸素水塊の再現を行う。再現されたモデル結果を解析することにより、タイランド湾の貧酸素水塊の形成プロセスを明らかにする。これら2つのモデル結果を論文としてまとめ投稿する。

Causes of Carryover

数値モデル開発に係わる人件費と、モデル開発についてタイの研究者との打合せ旅費として予算の執行を予定していたが、国際会議に出席したときにタイの共同研究者と打合せができたため旅費を使わなかったことと、タイの研究者から提供してもらった数値モデルをベースにモデル開発をある程度行えたことから今年度の人件費が当初の予定より少なくてすんだため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

今年度開発した数値モデルに生態系に係わる部分を導入するためのモデル開発費として使用する。また、ある程度モデルの開発ができた段階でタイの共同研究者と打合せをするための旅費として使用する。

  • Research Products

    (5 results)

All 2016 2015 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Int'l Joint Research] ブラパ大学(タイ)

    • Country Name
      THAILAND
    • Counterpart Institution
      ブラパ大学
  • [Journal Article] The modification of water column conditions in the Gulf of Thailand by the influence of the South China Sea and monsoonal winds.2016

    • Author(s)
      Buranapratheprat, A., P. Luadnakrob, T. Yanagi, A. Morimoto, F. Qiao
    • Journal Title

      Continental Shelf Research

      Volume: 118 Pages: 100-110

    • DOI

      10.1016/j.csr.2016.02.016

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] 北部タイランド湾の貧酸素水塊2016

    • Author(s)
      森本昭彦・三野義尚・Anukul Buranapratheprat・兼田淳史・Siraporn Tong-U-Dom・郭新宇
    • Organizer
      2017年度日本海洋学会春季大会
    • Place of Presentation
      東京都文京区
    • Year and Date
      2016-03-17
  • [Presentation] What we learnt about eutrophication in the upper Gulf of Thailand2016

    • Author(s)
      Anukul Buraanaprantheprat, Akihiko Morimoto, Atsushi Kaneda,Yoshihisa Mino, Vichaya Gunboa, Pachoenchoke Jintasaeranee, Joji Ishizaka
    • Organizer
      Establishment of Research and Education Network on Coastal Marine Science in Southeast Asia
    • Place of Presentation
      千葉県柏市
    • Year and Date
      2016-02-24
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 北部タイランド湾の貝類養殖場における係留観測2015

    • Author(s)
      兼田淳史・森本昭彦・Anukul Buranapratheprat・Siraporn Tong-U-Dom・三野義尚・郭新宇
    • Organizer
      2016年度日本海洋学会秋季大会
    • Place of Presentation
      愛媛県松山市
    • Year and Date
      2015-09-27

URL: 

Published: 2017-01-06   Modified: 2022-02-01  

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