2017 Fiscal Year Annual Research Report
ミャンマー連邦共和国村落部における衛生的水供給システム普及に関する実践的研究
Project/Area Number |
26303016
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
北脇 秀敏 東洋大学, 国際学部, 教授 (60251344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福士 謙介 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 教授 (30282114)
松行 輝昌 大阪大学, 共創機構産学共創本部, 特任准教授(常勤) (90511303)
眞子 岳 東洋大学, 国際共生社会研究センター, 研究助手 (80633528)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ミャンマー / 衛生的水供給 / 実践的 / 村落部 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、飲料水が質・量共に厳しい環境にあるミャンマー中央乾燥地域において水供給上の課題と健康上の問題を調査し、実証試験により解決策を提案することである。特に電気がない貧困地域において、安全な飲料水の供給を持続可能な形で進めるための実践的研究を行う。研究成果をミャンマーにおける衛生状況の改善に活かすと共に、他の途上国における水供給分野のODA案件の質の向上に資することも目的とする。 平成29年度は、現地のカウンターパートであるブリッジ・エーシア・ジャパンが深井戸を設置している86ヵ村を対象に水供給に関するヒアリングを実施した。その結果、調査対象の86本中、稼動しているのは76本。残りの10本は使用されていないことが明らかになった。稼働していない井戸については、運転維持管理が実施されていないことが原因であることがヒアリングより明らかになっており、より具体的な原因を解明するために、他村の利用されていない井戸との現状を比較分析を実施している。また、深井戸の管理を行っている水管理委員会を対象に「給水施設の状態」「運転管理」「財務管理」などに関する56の項目についてヒアリング調査結果も取得している。現在、適切な深井戸の建設費回収や経済的に妥当な水販売価格についても分析・計算式の構築を行っている。平成29年度は、これまでの研究成果を取りまとめたものを、国際開発学会にて既に発表済みである。また、ニュースレター等にも調査報告などを追次行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、ミャンマー中央乾燥地域において86ヵ村を対象にヒアリング調査を実施した。現在これらのデータの取りまとめを実施しており、おおむね順調に進展している。しかしながら、現地国側の外国人による村落部訪問への規制が強まっており、移動許可が発行が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究において主として現地調査を行う国であるミャンマーにおいては、依然として外国人の活動には監視の目が向けられている。上記にも記載したが、移動許可の認可の発行が困難であるため、現地で水・環境を専門家やカウンターパートであるNGOを活用しデータ収集を行う。今後も持続的な研究を実施するために、相手国政府に対して問題告発型の研究ではなく問題解決型の研究であることを伝え、了解を得たい。また研究の進行状況は現地政府に逐次報告し、協議が必要な部分については連絡を密にして作業を進めたい。 今年度は本研究の最終年度にあたるため、これまで収集したデータを取りまとめ、分析を行い、論文執筆や報告書作成を実施する。特に、日本製の経済的競争力の検討と技術的生存可能性の検討、レンタルショップ等による技術的サポートの充実と水委員会を通じた投資コスト回収システムの構築、サプライチェーンの構築、商業化、経験の日本企業へのフィードバック 、日本においてミャンマー、バングラデシュ、カンボジアの経験を元に日本企業向けに技術移転セミナーを開催などを実施する。
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Causes of Carryover |
平成29年度の繰り越し分を旅費と人件費・謝礼に大きく割り当てた。平成30年度は、本研究の最終年度に当たるため、中期間の現地調査を実施しデータを収集し、論文執筆へ活かしたい。特に8月または9月に中央乾燥地域において調査を実施予定であるため、現地カウンターパートであるブリッジエーシアジャパンと連絡・調整を行っている。また、国内で必要な消耗品や、現地で入手可能な書籍や文献等についても支出予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)