2015 Fiscal Year Annual Research Report
マレーシア汚濁淡水源におけるエコゲノミクスを用いた浄水処理障害微生物の実態調査
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26304002
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
杉浦 則夫 筑波大学, 国際室, 特命教授 (10302374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩見 徳雄 明星大学, 理工学部, 准教授 (00353532)
間世田 英明 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (10372343)
清水 和哉 東洋大学, 生命科学部, 講師 (10581613)
岡野 邦宏 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (30455927)
中村 幸治 筑波大学, 生命環境系, 教授 (40212097)
内海 真生 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (60323250)
松下 潤 中央大学, 研究開発機構, 教授 (60327757)
甲斐田 直子 筑波大学, システム情報系, 助教 (60456704)
板山 朋聡 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80353530)
原 啓文 長岡技術科学大学, アジアグリーンテック開発センター, 研究員 (80511071)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 環境分析 / モニタリング / 微生物 / 水資源 / 人間生活環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
H26年度の現地調査結果から選定した、クアラルンプール市の水源となっているSungai Langat dam、Semenyih dam、および流出河川について調査を実施した。調査を行った水源は、窒素やリン、クロロフィルaの濃度が低く、水質は良好といえたが、Cylindrospermopsis sp.やMicrocystis sp.といった有毒物質シリンドロスパーモプシスやミクロシスチンを産生する藍藻類が検出された。今後、富栄養化が進行していくとこれらが異常増殖する恐れがあるため、注意してモニタリングする必要があることがわかった。東京都と下水道整備プロジェクトを展開しているLangut地域は、2035年には人口が90万人になるといわれ急速に発展している地域であるため、地域内の水源池は今後も注意してモニタリングをする必要がある。 一方、現地で実施されたシンポジウムや研究者等からの聞き取り調査からマレーシアの内水面養殖業の発展は極めて著しく、内水面養殖業が活発なタイ王国に迫る勢いがあるが、養殖池の養殖魚を収穫する際に河川に池水を排水することが、水質悪化の要因となっていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水源水域の調査および社会科学的解析(水供給・水質管理政策、水消費・汚水排出パターン)を実施展開できていること、現地の協力研究室に対する技術移転(エコゲノミクス解析や放線菌ライブラリー作成等の基礎微生物学的解析など)およびサンプリングサポート体制が構築されたこと、および意見交換も順調に進行していることから、達成度を評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
協力研究者と協同しながら、エコゲノミクス解析を加えた実態調査を継続し、水環境の質と水環境微生物群の挙動および浄水障害物質の動態を明らかすることを試みていくとともに、社会科学的流域管理の提言に資する水供給・水質管理政策をマクロ的視点解析および水消費・汚水排出パターンを分析し、クアラルンプール地域の水環境システムを立体的に捉えるべく住民対象の調査実施していく。
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Causes of Carryover |
日程調整がつかずマレーシア調査に参加できない分担者がいたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現地調査についてマレーシア側との協力体制は構築できているので、日程に柔軟性を持たせて調査を実施することで使用する。
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Research Products
(8 results)